「これ、フツーのヘッドフォンですよ」、「DTS HEADPHONE:X」が結構すごい(2/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
同社では、DTS HEADPHONE:Xの詳細は明らかにしていないが、お得意のポストプロセッシング技術の成果であることは確かだ。しかも、「現在は最大11.1chとしているが、技術的にはもっと増やすこともできる」という。さらに仮想スピーカーまでの距離感もシミュレート可能。今回のデモ環境では、本物のスピーカーの位置に合わせて音源に調整を加えたという。
そう、先にスピーカーの音を聞かせたのも、外の音が聞こえる開放型ヘッドフォンを使ったのも、すべて「あれ? スピーカーから音が出ちゃってるよ」と体験者に誤解させ、事実を知ったときの驚きを引き出す演出だった。まんまと引っかかってしまったらしい。
デモの演出はともかく、ヘッドフォンで体験する11.1chは非常に興味深いものだった。普段、ヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聴くと、音像は頭の中に定位して聞こえるのが普通だ(脳内定位)。しかしDTS HEADPHONE:Xでは、スピーカーの位置を錯覚させるほど離れた場所に定位する。技術発表時の資料に「サウンドを“外面化”する」とあって首をかしげた記憶もあるが、体験して意味が分かった。余談になるが、ヘッドフォンを使わない人の中には「脳内定位が苦手」という人もいるので、この技術は2chオーディオにも応用できるかもしれない。
まずはVoD、ゲームに
DTSでは今後、2つの市場に向けてDTS HEADPHONE:Xを訴求していく。1つは動画のネットワーク配信サービスで、テレビ向けのほか、スマートフォンやタブレット向け動画配信も視野に入れている。「Home theater in your Pocket」(HTiP)というコンセプト通り、実現すれば手元のスマートフォンとヘッドフォンだけでシアター並みのサラウンドを楽しめるようになるかもしれない。
ただし、この場合は出口となるデバイス(STB、スマホなど)にポストプロセッシング技術を導入するほか、コンテンツ側にも事前処理が必要になるという。同社では、「オーサリングについては、DTS-HD Master Audio Suite(DTSが販売しているエンコーダー/オーサリングソフト)のプラグイン的な方法で提供したい」と話している。
一方、DTSではゲーム機もターゲットにしている。こちらはデバイスの持つ高い処理能力を生かし、コンテンツの前処理なしでサラウンド化が可能になるという。既にモバイル機器のチップメーカーやゲームメーカーとの交渉は始まっており、CESでもクアルコムのブースで「DTS HEADPHONE:X」のデモが行われたという(7.1ch対応版)。なお、具体的な対応製品の発売時期については未定だが、DTSでは「年内をターゲットにしている」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR