ダイソン「DC48」、音を小さくできた工夫とは?(2/2 ページ)
――実際の音を聞くと、単純に音量が下がったたけでなく、耳に付く高い音が減ったように感じました
Steel氏:それを目指して設計しました。高い音というのは、波長の短い音波のため、空気経路を長く複雑にすることで排除できるのです。
モーターのバランシング(不釣合い修正)にも気を使っています。V4は最大で10万1000回転/分と、非常に高速に回転するため、不釣り合いによる遠心力は振動や騒音を引き起こします。それを防ぐため、ダイソンの工場では1億ドルもするドイツ製の高価な機械を導入しています。ローターをゆっくりと回しながら重心を探り、最適なバランスを得られるように削って修正していくのです。
――それは量産品すべてに対して行うのですが?
Steel氏:そうです。ローター1つ1つに対して行います。工場には厳しい基準があり、最低でも最初に製造された時に比べて“7倍”はバランスの良い状態にしなければなりません。基準をクリアできなければ製品には組み込まれないのです。
――モーター周辺以外にも静音化ために新しい技術が入っていると聞きました
Steel氏:DC48の開発に際し、われわれは音の発生源を細かく検証しました。その1つが、フロアツールのギアボックス。DC48には2つの新しいフロアツールがありますが、こちらのモーターヘッドではモーターをソフトマウント(ゴム素材などを用いて振動を吸収する)して振動が本体に伝わらないように設計しています。またギアボックスもソフトマウントした上でゴムで覆い、音を軽減しています。
Steel氏:このほかにもサイクロンのマニホールドは2層式にしています。これは、2重窓と同様、音をシャットアウトする仕組みです。
――動作中の音は何dBでしょうか
Steel氏:デシベル数はテスト方法によって異なりますから、ダイソンでは数字を出してはいません。ただ、DC46と同じ条件で比較して40%下がったということです。
――V4モーターの技術は、ほかの製品にも応用できますか?
Steel氏:実は、欧州市場で販売しているハンドドライヤー「エアブレードV」の1600ワットモーターにはV4と近い技術を使っていて、やはり本体のコンパクト化を実現しています。まったく同じモーターではありませんが、製造ラインは共用できます。
もちろん、これがゴールではありません。将来、新しいタイプの製品が出てくるとき、新しいオプション(選択肢)ができたと考えています。また、われわれはV4モーターの開発で多くのノウハウや技術を得ることができました。今後のモーター開発、製品開発に役立てていきたいと思っています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR