麻倉怜士のデジタル閻魔帳
2013年を総括! 「麻倉怜士のデジタルトップ10」(後編)(2/3 ページ)
第3位:ELAC BS314
――夏に「BS312」を取り上げましたが、今度は「BS314」ですか?
麻倉氏: 「BS312」も良い製品ですね。小さな口径(ウーファーは115ミリ径)からは想像できないほど低域が充実しています。中高域もスピードが速く、空間に放射されるエネルギーがひじょうに大きいという印象です。
エラックの音は、緻密(ちみつ)でつやっぽく、情報量も多いイメージ。その中でも「BS314」は、まさに“エラック中のエラック”。こんなサイズなのに雄大にして締まった低音を持ち、さきほどの特長をさらに強化してまとめた印象です。ラインアップの中でも、ちょっと違ったスペシャルモデルなのです。
そのため、使う人にもスキルを求めます。車に例えると、ポルシェのようなスポーツカー。入門用としては扱いが難しいけれど、ノウハウを持った人の手にかかると、こんなに素晴らしいものはありません。例えば、床やラックにべたっと置いても良さは出ませんが、スパイクやインシュレーターをうまく使って設置すると驚くほど変わります。使いこなしには工夫が求められますが、チャレンジする価値は十分にある。そういう種類のスピーカーですね。
モノとしての魅力も上がりました。先代の「BS330」は前面バッフルが樹脂素材でしたが、今回は総アルミです。独自のジェットツィーターとハイブリッドコーンに代表されるエラックの技術が詰め込まれていますから、先行して新技術を投入する試験機的な意味合いもあるのではないでしょうか。
第2位:BDオーディオ「ブルックナー交響曲第4/7/8番、ケント・ナガノ指揮、バイエルン国立管弦楽団」独FARAO CLASSICS
麻倉氏: 番外として2LのBDオーディオを取り上げましたが、2013年の“音質ベスト1”は、独FARAO CLASSICSの「ブルックナー交響曲第4/7/8番 ケント・ナガノ指揮 バイエルン国立管弦楽団」です。凄すぎて、ハイレゾ音源の試聴イベントなどでこれを流すと、皆さん腰を抜かします。
FARAO CLASSICSは、ミュンヘンに本拠を置くレーベルです。ミュンヘンには2つのオーケストラがあり、その1つ「バイエルン国立歌劇場」の専属オーケストラがバイエルン国立管弦楽団。ケント・ナガノさんは日系アメリカ人の指揮者で、今年までバイエルン国立管弦楽団の音楽総監督を務めていました。
今回のタイトルは2007年の録音ですが、オーケストラの音にひじょうなる透明感があります。2chで聞くとレンジの広さや細かい音の聞こえ方など、オーディオ的なすごさがある。もともとDレンジの広いブルックナーの曲が、本当に軌跡を描くようにして盛り上がるのです。
番外で取り上げた2Lの「SONG」も素晴らしい音ですが、アカペラです。対してこちらは大編成。5.0chで聴くと量感があり、しかも音が軽々と飛んでくるイメージです。抜群に音がいい。音場と音質って両立しにくい傾向がありますが、これは両方すばらしい。ブルックナーの分厚い響きとともに、ケントさんや各楽器奏者の姿が見えてきます。それがとても優秀な録音スタッフのおかげで体感できる。ハイレゾの大きな恩恵といえるでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
2
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
6
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
Microsoft、約6万人対象の希望退職制度を発表 巨額のAI投資で経費抑制か
-
9
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
10
Anthropic、IPOを正式申請 上半期売上高は約14倍、純損失807億ドル
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR