「リスクのない挑戦はない」 人口7万の街が“オープンデータ先進地”に 福井県鯖江市の取り組み(1/4 ページ)
日本一の眼鏡の生産地として知られる福井県鯖江市。人口6万9000人の市が今、“ITの街”として注目されている。
「データシティ鯖江」を掲げ、駅や公民館に公衆無線LANを整備。行政データを公開する「オープンデータ」に日本の自治体として初めて取り組み、このほど、国際的なWeb標準化団体「W3C」(World Wide Web Consortium)に、自治体として初めて加盟した。
“眼鏡の街”がなぜ、ITやオープンデータに取り組むのか。「地方の危機感ですよ」――鯖江市の牧野百男市長は言う。「国も地方も、今のままではつぶれてしまう。ITは、分からない部分が多いが、魅力もあるし、夢もある。話題が明るいですしね」
1941年(昭和16年)生まれの牧野市長。ITに明るくはなかったが、同市内に開発拠点を置くモバイルベンチャー・jig.jpの福野泰介社長ら若者の提案を即座に採り入れ、公衆無線LANの整備や、市保有データのオープンデータ化を推進してきた。
オープンデータとは、誰もが自由に再利用できるようデータを公開すること。欧米政府を中心に取り組みが進んでいる。鯖江市は国内自治体の先駆けとして2010年から取り組みを始め、現在までに約40種類のデータを公開している。
オープンデータは、市が目指す「市民共同の街作り」の一環でもある。市が公開したデータ活用し、民間にアプリを開発してもらえれば、市はコストをかけずに住民サービスを充実させられると期待している。
短期的な成果は見えづらい取り組みでもあり、「何のためにやるのか」「他にやるべきことがあるのでは」など批判を受けることもある。「反発も多いが、リスクのない挑戦なんかない。僕が背負って立てば、その中でいいものが出てくるし、実際に出てきている」と牧野市長は話す。
「日本がオープンデータで遅れるとまずいのでは」
牧野市長は04年の初当選以来、市民共同の街作りを目指し、市民からの意見を積極的に聞いてきた。鯖江市内でテキストエディタ「秀丸」などを開発する斉藤秀夫さんからの提案を受け、06年からブログを開始。同市出身の藤田晋社長が運営するサイバーエージェントのAmebaブログを利用している。FacebookやUstreamの活用も、市民などからの提案を受けて開始した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
2
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
3
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR