滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
“肌への優しさ”という新技術――ブラウンのハイエンドシェーバー「シリーズ9」(2/3 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
「これは余談ですが……」と前置きして話を続けるホーザー氏。「ブラウンには『Sカールテクノロジー』という考え方が存在します。S字曲線のグラフを描き、縦軸をベネフィット、横軸を努力とします。この場合、ある程度開発に努力を重ねることで、最初なかなか効果が出にくかったベネフィットが、S字曲線の中央あたりで、ぐっと大きなものになることが分かります」。
シリーズ7の『高速振動くせヒゲトリマー』を開発した当時は、まさに大きなベネフィットがあったという。ただし、1つのトリマーでは、これ以上大きなベネフィットは望めない。つまり、くせヒゲと寝ているヒゲの両方を効率的に取り去るのは難しいと判断したという。「そこで、2つのトリマーを高速振動させ、ヒゲを導入する新しい方法を考えました」(同氏)。
2つのトリマーの役割はネーミングからだいたい想像できるが、実際はどのような仕組みになっているのだろうか。
「まずはヘッド表面のブルーに塗られた部分が『極薄リフトアップ刃』です。刃の幅を0.4ミリ、刃の薄さを0.2ミリと従来モデルの半分にまで小さく薄くすることで、寝ているヒゲでも、より簡単に持ち上げて立たせることができるようになりました。一方、並行して配置されているのが、もう1つのトリマー『くせひげキャッチ刃』。こちらも刃の幅を0.4ミリ、刃と刃の間隔を0.3ミリと従来モデルと比較して、約2.6倍の効率でヒゲを導入することができるようになりました」。
シェーバーをストロークさせる際、この2つのトリマーが連動する。「それぞれのトリマーと刃が重なる隙間を0.15マイクロメートルとしたことで、ヒゲが誘導されれば、刃が肌とヒゲの間に確実に入り込み、根元からカットできるようになりました。従来モデルより深くそれるだけでなく、1ストロークでそれるヒゲの量も大幅に向上させることに成功したのです」(同氏)。
ちなみに、ブラウン社内には肌とカッティングシステムの相互作用を研究する部署があるという。その部署では、常にさまざまなカッティング構造を開発しては、ハイスピードカメラで撮影し、肌にあてた際のヒゲのそり方などを観察している。シリーズ9のカッティングシステムも、そういった地道な基礎研究から生み出されたという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
10
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR