滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
国内だから実現できたスゴイ製造技術――バルミューダ「GreenFan Japan」の工場に潜入した(1/3 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
バルミューダの扇風機「GreenFan」シリーズは、かつて製造を全て中国で行っていた。しかし、昨年発表された最新モデル「GreenFan Japan」からは、同社寺尾玄社長の決断により、完全国内生産へと移行する(→関連記事)。
「GreenFan Japan」の発表会で、寺尾社長は「日本から世界に発信するという確固たる想いを込め、製品名に“Japan”という国名を入れました。同時に、製品の製造から組み立てをすべて日本国内で行うことに決めました」と話していた。また「GreenFan Japan」について、「今、一番良い扇風機はコレです、と断言できる」と胸を張った。「この形が扇風機というもののファイナルだと言っても過言ではありません。このモデルを今後5年、10年と販売し、『日本にはいい扇風機があるらしい』と世界で言ってもらえるようにしていきたい」(寺尾氏)。
バルミューダにとって「GreenFan Japan」は扇風機の完成型。そして、それを実現するのに欠かせなかったのが、バルミューダの要望をしっかりと汲み上げ、製品をスピーディーに世の中へ送り出す、製造工場のスゴい技術が存在するからだ。もちろん、中国の人件費が上がったとはいえ、東南アジアなど工場を移すのに適した場所はほかにもある。あえて国内生産に戻した理由について、同社広報の阿部洋氏は以下のように話している。
「『GreenFan』の羽根は、初代モデルを2010年に発売して以来、さらに5年にわたって磨き上げてきたもの。『GreenFan Japan』開発時に何十というパターンの羽根の形を試しても“変えることができなかった”ほど研ぎすまされています。この技術をさらに上のレベルに引き上げるには、作り手に委ねるしかない、という結論にたどり着きました」。
国内生産であれば、かけたコスト以上に“質”という製品価値を生み出すことができる。「『人件費以外のトータルコストを1つずつ見直して圧縮していけば、たとえ日本国内で生産しても海外で生産した場合と同じぐらいにコストが引き下げられると寺尾自身が判断しました」(阿部氏)。
「GreenFan Japan」の量産にあたり、バルミューダは山形県米沢市にある2社と提携した。質の高い金型を製造管理できるコアタックと、組み立てラインを随時形成できるサクサテクノだ。
コアタックの遠藤晶社長は「製造を始めた昨年は、中国で作られた金型を修正しながら使っていたこともあり、約3割のパーツは使いものになりませんでした。今は日本で作った金型と日本でメンテナンスした中国製の金型を使っているため、歩留まり率を98%と劇的に高めることができています。最初はバルミューダの求める製造レベルの高さには驚きましたが、そのぶん、こちらの精度もこの1年で随分高まりました」と語っていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
モノ雑誌で白物家電を約10年担当し、メーカーからの信頼も厚いフリーランスライター、滝田勝紀(たきたまさき)氏が最新家電のスゴイ技術を紹介するインタビュー連載。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR