中国の100万都市もIT普及はすごかった(1/2 ページ)
筆者が中国内陸の100万都市を拠点にしてはや10年以上が経過してしまった。この10年で中国は存在感を高め、中国人は日本に「爆買い」にやってくるようになり、昨年は爆買いが流行語大賞に選ばれるまでになってしまった。
中国の消費者は、“彼らの”インターネット環境を利用して、欲しい商品を事前に知り、日本に買いにやってくる。ところがご存知の通り、中国のインターネット環境というのは、米国シリコンバレーの匂いがしない摩訶不思議な環境だ。爆買いのビッグウェーブに乗ろうとすれば、百度・微信・微博・淘宝網・天猫・優酷網・支付宝──といった、漢字名のネットサービスを知ることになる。ハードウェアでは、小米(Xiaomi)・華為(Huawei)・聯想(Lenovo)など地元企業がシェアを握っている。
中国のサービスにはどのようなものがあるのか、調べてみた人もいるかもしれない。しかし閉ざされたネット環境にある中国の街に住むと、ITを駆使することがどれだけ便利なのかについてはあまり報告されていないし、日本のセミナーなどでも語られていないように思う。そこでざっと、筆者が普段の環境で見かけるITのある風景を紹介しようという次第だ。
勢いのない電脳街
中国で「ITのある風景」を見ようと、電脳街だの家電量販店だの携帯電話ショップだのを見にいくと後悔することになる。電脳街のテナントは減り、空きスペースが点々ととしており、客は非常に少ない。売られているものは昔から変わらないメーカー製のノートPCやショップブランドPC、さらには尖っていない、無難なものばかりがそろったPCアクセサリーといったところだ。
PCはダメでも携帯電話ショップならまだ客はいるだろうと思うかもしれない。だがメンツ重視の人々は、その欲望を満たすiPhone 6sゴールドモデルをもう手に入れているし、Androidで性能やコスパを求めている人も、XiaomiやHuawei、OPPOのスマホを入手済みだ。
なので「今すぐ新しいモデルを買いたい」という状況でもなく、Apple専門店を含め携帯電話ショップも以前と比べると客足は鈍い。2年以上前には各キャリアがこぞって新しいスマホの低価格販売キャンペーンの広告をバス停などに出していたが、こうした広告もなくなった。スマホが普及したらタブレットか──と思いきや、タブレットユーザーはめったに見かけない。
EC普及で量販店は閑古鳥
家電量販店は蘇寧電器(ラオックスを買収した家電量販店)と国美電器がある。が、これまた店内は「モノを売るレベルではない」と言わんばかりの寂しさで、いつでも店員のほうが客より圧倒的に多い。
蘇寧電器はなんとか客を入れようと、店舗に自社オンラインショップ「蘇寧易購」にアクセスできるデスクトップPCを用意(この蘇寧易購というサイトは、後発ながらシェアを獲得している、頑張っているサイトだ)。店舗で置いてなくてもオンラインショップで扱っている商品を取り寄せることができるようにした。さらに来店客が自由に使える公衆無線LANを用意し、水が飲めるようにウォーターサーバまで用意した。それでも蘇寧電器の店頭には人がいない。
原因は天猫や淘宝網といったECサイトの台頭がまず挙げられるが、街が拡大し、ショッピングセンターが至る所にでき、人の流れが分散したからという理由もある。家電だけでなく、ショッピングセンターでは定番のアパレルショップも、こうした理由から以前より客が少なくなっている。ネットショッピングの一般化で、マンションの前には小包をたくさん積んだバイクがますます行き来するようになった。筆者のマンションでは、最近になって宅配ロッカーが新設された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
3
JALの予約システムに不正アクセス 約9万人分の予約情報が漏えい 一部ではパスポート番号も
-
4
VTuber「兎田ぺこら」グッズにSNSで風評被害→示談成立 「保護者同伴で謝罪などがあったため」
-
5
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
6
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
7
「対策を後回しにしたサーバが軒並み狙われている」 相次ぐ不正アクセスにラックCTOが警鐘
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
Anthropic、独自の“創薬活動”に着手 社員1人のバイオ企業を買収、小児難病の治療薬研究を進める
-
10
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR