まるでiPhoneの発売日のように、いま日本各地のドラッグストアの店先では、中国人による争奪戦が行われている。彼らの狙いは、中国で人気の紙おむつだ。
これを手に入れるべく、ドラッグストアを巡回する中国人は数知れない。目当ての紙おむつのダンボールがドラッグストアに届いたのを見れば、知人を呼んで買い占める。ドラッグストアは転売対策のため、1人につき1〜2つ程度に購入を制限しているが、中国人は地元の同胞を集めてワゴン車で箱買いしにくる(実際に筆者はそんな現場を見ている)。
かくて、品薄でようやく入荷した商品は入荷と同時に転売目的で買われていき、日本人の手には届かない。
紙おむつはECサイト「淘宝網」(Taobao)などで取り引きされている。ただし、彼らは紙おむつを店で「買った後」に売りさばくわけではない。
日本に住む一部の中国人は、一山稼ごうと淘宝網にショップを出している。ここで販売実績を積んでいくと、得意先の中国在住の中国人が「これを買ってくれないか」と商品一覧にないものを注文してくる。その注文は何十点もの爆買い前提。もちろんこうした依頼はウェルカムだ。つまり彼らは先に注文を受けた上で、日本で車や自転車を走らせているというわけだ。
日本の紙おむつといっても、赤ちゃん用でサイズさえ合っていればいいわけではなく、ブランドの指名買いが基本。注文した商品がないからといって、他社の商品は買おうとはしない。これは紙おむつに限った話ではなく、化粧品でもサプリメントでも、「A社のものが人気の一方で、B社はまるで人気がない」ということもよくある。
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