中国“アルファバイヤー”による爆買いで日本はかき回される(4/4 ページ)

» 2015年07月09日 11時23分 公開
[山谷剛史ITmedia]
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 さらに例を出そう。「東京新青年」というアカウントは、中国で人気となっている日本のA社の薬について、彼が売りたいB社の薬に向けるべく、“ネット工作”をした。彼はA社の薬について、善意を装いながら「成分を確認したら、効き目がないではないか。なんてこった」などと投稿。その上で「(B社の薬は)高島屋で見つけたが、他社製品より圧倒的におすすめ」と書き込み、「B社の薬を大量に入荷。代理店募集!」とアピールしてみせた。自分の利益のためなら他を蹴飛ばすことも厭わないやり口に対し、これを批判する中国人に暴露されことで問題になった。

ある商品が突然、中国人に買い占められたら……

 こうしたことは、これまでは中国の国内で完結していた。つまり中国ではこうしたことは日常茶飯事だったが、“爆買い”で中国人が日本製商品に目を付けたことで、中国内で完結していた魑魅魍魎のやり口が日本の中国人社会の中で採用されることになった。中国人アルファバイヤーが仕掛けることで、近所の小売店で唐突に特定の商品が中国人に買い占められることもあれば、また突然彼らが買うのをやめ、後に残るは在庫の山──といったことも起こりうるというわけだ。

 アルファバイヤーは今後も、儲けるために様々なジャンルからまだ知られていない商品を仕入れては仕掛けてくるだろう。つまり“爆買い”はジャンルを問わずに起きうる。日本全国で突然、ある商品が中国人に買い占められることになったら、そういった背景があると思ったほうがいい。

 さらにもう1ステップ進んで、状況を細かく知りたい場合は、微博や微信に強い中国ネット世論チェック業者(日本にもある)に聞いてみるのも1つの手だろう。

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