野村ケンジプロデュース
は・じ・め・てのアナログレコード♪ ――ハイレゾ音源と比較してみた(2/3 ページ)
針圧調整は忘れずに
いよいよ調整に入る。“針圧調整”のため、まずシーソーのような構造になっているトーンアームを水平にする(=ゼロバランスをとる)。カウンターウエイトを少しずつまわしてバランスがとれる位置を探す。体の大きな福山が片手でアームを保持し、もう一方の手でウェイトを回していく。針が宙に浮いた状態で安定すれば成功だ。
針圧とは、針が適切な力で盤面の溝をなぞれるよう、針にかかる圧力を調整すること。ゼロバランスをとってトーンアームが水平になっている状態から、カウンターウエイトの内側にある針圧調整用リングを回して調整していく。針圧はカートリッジごとに指定されているので説明書をチェック。TN-350に付属するカートリッジの適正針圧は1.4gだったので、目盛りを1.4に合わせた。
針圧って、そんなに重要なんですか?
針圧が高いと溝を削っちゃうし、逆に軽すぎると音を拾いきれない。針が跳ねて溝自体を傷つけることもある。貴重なレコードを傷つけないように必ず調整してほしい。今回は簡単だったけど、よりシビアに調整するなら「針圧計」があったほうがいい。
野村氏が倉庫部屋から取り出してきたのは、ORBのデジタル針圧測定器「SFM-2」。本体から飛び出している部分に針を置くだけで針圧を0.1g単位で計測できるオーディオ専用の測定機で、照明を落としたリスニングルームでも使いやすいよう、横からLEDの光で照らしてくれたり、針先を載せる部分が鏡になっていたりする。1つあれば便利なアイテムだ。
最後にアンチスケーティングの調整を行う。回転するレコード盤は、遠心力でインフォースと呼ばれる“引っ張られる力”が発生するため、それを打ち消す仕組みを持っている。それがインサイドフォースキャンセラーあるいはアンチスケート、アンチスケーティングなどと呼ばれる機能だ。
ハイレゾ音源とアナログレコードはどう違う?
いよいよアナログレコードの試聴開始だ。試聴曲は野村ケンジ氏所蔵のNirvana(ニルヴァーナ)ベスト盤「ニルヴァーナ・ベスト」から「ユー・ノウ・ユー・アー・ライト」。試聴するレコードに合わせて回転数を切り替え、回り出したレコード盤に針を下ろす。
緊張の面持ちで操作する福山。でも心配はいらない。TN-350の場合、油圧式の「トーンアームリフター」が付いていて、初心者が操作してもゆっくり静かに針を下ろしてくれる。
音が流れ出した途端、2人に驚きの表情が浮かんだ。「正直、少し驚きました。レコードってこんなに音が良かったんだ、という気持ちです。なんとなくノイジーでかすれた音が出てくるようなイメージを持っていたんですが、まったく違いました」(山口)
よくテレビや映画でアナログっぽい雰囲気を出すためにノイジーな音を使うよね。そのイメージだと思うんだけど、実はあれ、フォノイコを使わないときの音。アナログレコード本来の音じゃない。
続いてエンヤのアルバム「Dark Sky Island (Deluxe)」から「I Could Never Say Goodbye」、ツェッペリンの「ツェッペリンVI」から「Rock And Roll」と野村ケンジ氏の趣味全開。さらにアニソンカテゴリーから女性ボーカルが美しいカラフィナのオリジナルアルバム「far on the water」から「ビリーブ」。そしてAimer(エメ)の「DAWN」から「Brave Shine」。いずれもアニメ「Fate/stay night」タイアップ曲だ。
1曲ごとに「e-onkyo music」や「mora」からダウンロードした同じ曲のハイレゾ音源と聴き比べる。ハイレゾ再生にはMacBook AirとラトックシステムのUSB DAC「RAL-24192DM1」を使用。かなりの高級モデルであるため、やや公正さを欠く、ハイレゾ有利な状況かもしれないが、それを差し引いても、両者の音色傾向の違いは顕著に現れてくる。同じスピーカーとアンプで聴き比べると、ハイレゾのほうが明らかにクリアでワイドレンジだ。
「改めてハイレゾ音源はすごいですね。アナログレコードと比べ、ベールを1枚はいだような気がしました。でも……」と続ける福山。「アナログレコードもすごいですね。輪郭はしっかりしてて、高音もくずれずにシャープ。とくに弦楽器の音の鳴り方が心地良いと感じました」。山口も「ハイレゾはすごく聴き慣れた感じですが、アナログレコードと聴き比べると楽器とボーカルが別の部屋でやってるような印象を受けました」(山口)。ハイレゾはクリアに聞こえる分、違和感を覚えるような部分も目立ちやすいのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
9
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
10
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR