“中の人”が明かすパソコン裏話
パソコン界のテスラ!? 一度使ったらやめられない「ファンレスPC」の設計テクニックとは?(3/3 ページ)
答えは「左」です。さらに、前後の配置を考えたとき、手前ではなく奥側になります。右側にはマウスを置く人が多いので、不快な熱を吐き出す排気口は左側に配置したいと考えるわけです。そしてこの場合、右側にはUSBポートやHDMIポートを集中的に配置することになりますが、よくばって右側手前までポートを配置すると今度はマウス操作の邪魔になってしまいます。
また、手前側にポートを配置しようとしても多くのノートPCは本体の手前側が薄く、奥が厚くなっている通称「くさび型」といわれるデザインを採用しているので手前側面にはスペースが少なく、ポートや排気口などを配置することができません。代わりにディスプレイを開いた時のバランスを考えると、重量のあるバッテリーなどをなるべく手前側に配置した方が安定感を得られます。
こういった理由から、ノートPCは部品を配置する場所が非常に限られていることがお分かりいただけるかと思います。製品によっては、ディスプレイのヒンジ形状やの開閉角度を調整することでうまく背面に排気口を配置している製品もありますが、大きく開かないなどの制約が生まれる場合もあります。
ファンを配置しないことでデザインの自由度が高まり、結果的にユーザーが使いやすい配置が実現する理由がお分かり頂けたでしょうか。
ファンを搭載している場合は、吸気口も底面か側面、背面のいずれかに配置しなくてはなりません。ホコリを吸って詰まったり、ふさがったりしないように気を付ける必要があるのですが、こういった煩わしさからも解放されます。加えて回転する部品がなくなりますので、バッテリーの駆動時間も延長でき、本体の故障率も下がることでしょう。
ファンレスPCを例えるなら……
ファンレスPCは、最新の半導体技術を採用することで省電力かつ高性能、ファンがなく動作音も静か、冷却機構があったスペースにより大きなバッテリーを搭載。その結果、駆動時間も長いという、まさに夢のような作りになっています。
ちょうどファンレスPCを自動車で例えるなら、テスラだと思います。「テスラ モデルS」は、大容量のバッテリーと高性能なモーターにより、これまで「航続距離が短い」「エコだけど遅い」といった電気自動車のイメージをガラリと変えました。さらに、エンジンの代わりに効率のよいモーターを動力源にすることで、冷却用ラジエーターやファンも不要となりました。今までの自動車では、エンジンがあった場所は「トランク」になっています。
モバイルPCを極めるなら、ファンレスPCがオススメです。ぜひ、理想的な夢の使い心地を体験してみてください!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
“中の人”が明かすパソコン裏話
昔はPCを購入することはそれこそ一大決心でしたしワクワクするものでした。この連載では、そんな「ワクワクする気持ち」をもう1度思い起こすきっかけとなるような、PCのちょっと面白い「小ネタ」や「裏話」を、“PCを提供する側”というちょっと変わった視点からご紹介していきます。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
2
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
Apple、「iPad mini」を大幅刷新 8.5インチOLEDとA20 Pro搭載、防水にも対応 11万9800円から
-
8
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
9
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
10
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR