来年元日に「うるう秒」、ITシステムに影響は? 「対処できる人が正月休み」に注意
1日を1秒だけ長くする「うるう秒」が2017年1月1日午前8時59分に挿入される。情報通信研究機構(NICT)は11月1日、うるう秒の挿入が企業ITシステムなどに与える影響について説明した。「正月休みで、トラブルに対処する要員が不足して混乱しないよう、注意が必要」という。
うるう秒は、原子時計が規則正しく刻む「原子時」と、地球の回転(自転・公転)を観測したデータに基づく「天文時」のずれを調整するものだ。世界の標準時は、過去に天文時を採用していたが、潮汐摩擦や大気循環、海流などの影響でミリ秒単位の誤差が生じるため、1958年からはより正確な原子時を使うようになった。
だが、実際の生活上、太陽の動きと関連する天文時を無視できないため、72年以降はうるう秒を不定期で挿入し、原子時を天文時に近似させている。27回目の今回は、1月1日の「午前8時59分59秒」と「午前9時00分00秒」の間に「午前8時59分60秒」を挿入する。
社会のIT化が進んだ現在、うるう秒の実施は、情報システムの障害を生むこともある。前々回の12年7月1日(日曜日)の実施では、国内でSNS「mixi」に障害が起きたほか、海外でもLinkedIn、RedditなどのWebサービスが影響を受けた。
NICT電磁波研究所 時空標準研究室の花土ゆう子室長は、「これまでの経験を踏まえ、事前に十分な配慮を」と話す。「例えば、分散化を取り入れているシステムでは、それぞれの時刻表記の同期がずれると不具合が起こるケースがある。システムを動かすプログラムも、60秒というイレギュラーな時刻表示に対応できずに誤作動を起こすケースも考えられる」(花土室長)。
同研究室の今村国康研究マネージャーは「今回は正月の実施なので、何かトラブルが起きたときに、対処できる要員が休んでいる可能性もある。その分、事前の準備を徹底してほしい」と注意を促す。
うるう秒の実施をめぐっては、時刻調整を要する機器が増え、調整作業が膨大になるとして、99年から国際的に廃止が議論されている。15年の世界無線通信会議(WRC-15)では、日本や米国が廃止を支持した一方、ロシアや英国などは現状維持を主張し、意見が対立。少なくとも23年までは、うるう秒の挿入が行われる可能性がある。
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