キンコン西野氏が火種 「コンテンツ無料化は、作家を殺す」のか? マンガを例に考える(2/4 ページ)
このように、「ネットではタダなのに、紙の単行本が平然と売られており、しかも売れている」――という事例は、他にもある。有名なところでは、マンガアプリ「comico」から誕生した作品、「ReLIFE」もそうだ。
ReLIFEも、comicoに行けば無料で読めるにも関わらず、なぜか、紙のマンガも売れた。アプリでは縦読みで、紙では横読みにレイアウトを変えたなどの工夫もあったようだが、本質的には同じ作品だ。どうやら、熱量のあるファンが売上に貢献したようで、こちらは2016年に「累計発行部数、100万部突破」とアナウンスされている。
マンガアプリ発の単行本に関しては、他にも枚挙にいとまがない。マンガというのは、「一物二価」が成り立つ、不思議な業界になっている。
十分稼いだから、無料にする
次に紹介したいのは、ある程度収益が出た作品を、さらに無料化して、追加収益を発生させたケース。個人的には、「女帝」が面白い取り組みだと感じる。
女帝は、「週刊漫画TIMES」に連載された作品だが、媒体としては青年誌であり、あまり若い女性向けとは言えない。さらに、ストーリーも「銀座のホステスが知恵と度胸、さらには枕営業も駆使して(!)成り上がる」……という、なんともおじさん好みのストーリーだ。
しかし女帝はテレビドラマ化などもあり、電子書店での販売にも注力したことで、2007年には「めちゃコミック」の年間ランキング1位を獲得。さらに2012年あたりからはじまった「無料マンガアプリ」ブームにもうまく乗り、あちこちの無料アプリで閲覧できるところとなった。
この一連の展開で、若い女性ファン層を開拓したのが、注目すべきポイントだ。筆者の周りにも、「『女帝』は読んだ、面白い」と話す20代女性が複数いるし、業界関係者によれば、若者向けアプリでかなり善戦しているようす。どうも、十分稼いだコンテンツを、さらに無料化して追加収益を得る……という作戦のようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
9
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
10
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR