「詐欺被害の相談サイトに注意して」――消費者庁、悪質業者を名指しで注意喚起
「○○さん(消費者)に代わって、これ以上請求をしてこないように架空請求業者と交渉します」――実際には一切交渉しないにもかかわらず、詐欺被害者に高額な依頼料を請求する事業者に関する相談が増えているとして、消費者庁が5月22日に注意喚起した。
各地の消費生活センターなどから寄せられた相談から消費者庁が調査したところ、「株式会社クラプラ」との取引で、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(不実のことを告げること)を確認したとして、事業者名を名指しして注意を呼び掛けている。
同庁は消費者に「『有料動画サイトの未納料金が発生しており、本日中に連絡がなければ法的手続きに移行します。』などというSMSやメールは典型的な詐欺の手口です」と案内。連絡するとさまざまな名目で金銭の支払いを要求されるため、このようなメッセージに記載された電話番号には「絶対に電話しないようにしましょう」としている。どうしても不安な場合は、各地の消費者生活相談窓口(電話番号:188)や警察(電話番号:#9110)に相談するよう推奨している。
勧誘の手口
消費者庁によれば、悪質事業者の手口はかなり複雑だ。まず消費者の携帯電話に「有料動画サイトの未納料金が発生しています。本日連絡なき場合、法的手続きに移行します」といった電話番号付きのメッセージをSMSや電話で届ける。
不安に思った消費者がメッセージに記載された電話番号をネットで検索すると、「詐欺被害の相談サイト」などと称するWebサイトが検索上位に表示されるという。そのサイトには「その電話番号は詐欺の番号です。その場合はこちらにお問い合わせください」とあり、消費者を別の問い合わせ先に誘導する。
問い合わせ先に電話すると、応答者は消費者に対し、こちらは相談窓口ではないので別の電話番号にあらためて電話するように――と案内する。
再度案内された番号に電話すると、クラプラと名乗る者が電話に出る。クラプラは「お客さまに代わり、これ以上請求をしてこないようにサイト事業者と交渉する。今日中に当社に振り込めば、いつもは10万円のところ、今回は特別に5万4000円で交渉を承る」といったことを告げて送金を促すという。
送金後、クラプラは消費者に更に電話を仕掛け、「1社とはけりが着いたがあなたは他の有料動画サイトも閲覧している。このまま放っておくと請求が膨れ上がるかもしれない。未納料金の請求を取り消すにはあと○万円支払っていただく必要がある」と、消費者に新たな契約を締結するよう迫るという。
消費者庁による「クラプラ」の実態調査 「代表者とは一切連絡が取れない」
消費者庁がクラプラの事業実態について調査したところ、クラプラが消費者に送付した契約書類上の2カ所の住所や、消費者からの入金に利用していたクラプラ名義の金融機関口座の届け出住所の計3カ所のうち2カ所は既に退去、1カ所は「表札もなく、クラプラの関係者が在住しているのかは全く不明」だという。
また、クラプラの代表者とは以前から一切連絡が取れず、実態が判然としないという。消費者庁が公表したクラプラの公式WebサイトURLに編集部がアクセスしてみたが、404エラーで既に削除されていた(5月22日現在)。
クラプラのWebサイトでは過去に「まず相談者様の代わりとなり、架空の請求業者に対し一切の請求を行わない、支払わない旨を交渉にて行います」などと表示されていた。だが、報酬を得るために代理で交渉などを行うには弁護士などの資格が必要で、もし資格のない者が行っていたとしたら、弁護士法第72条違反で処罰対象になる可能性もある。
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