新連載・東京五輪へ連れてって
ロボット、AIに活路 世界に後れを取った日本女子バレーが「IT強者」になれた理由(4/4 ページ)
次はAIとVRに期待 「ただし過信は禁物」
先進的な取り組みで日本チームを支えてきた渡辺さん。だが「テクノロジーへの過信は禁物」と、あくまで冷静だ。
「テクノロジーがもたらす力は大きい。最初のうちは、驚きや目新しさで選手、コーチ、監督の誰もが興味関心を持つが、実用性がないと意味がない。そのテクノロジーがどう役立つのか。技術をスポーツに落とし込むのがアナリストの役目」
そんな渡辺さんがいま注目する技術は、AI(人工知能)とVR(仮想現実)だ。
16年のリオ五輪までは、試合中の情報をアナリストがシステムに手入力して機械学習させ、相手セッターの行動を予測していた。今後はAIの自動画像認識機能に期待しているという。トラッキング技術を用いて選手のプレーを自動入力できれば、アナリストはもっと分析に時間を割けるようになる。
同種のシステムとして、サッカーやラグビーでは実際にトラッキングシステムが活用されている。だがバレーボールやバスケットボールなど「高さの情報が重要な競技での応用はまだまだ」。AIに向けられる期待は大きい。
VRに期待するのは、イメージトレーニングでの活躍だ。普段練習では体感できない高さやスピードは、試合という限られた本番の機会で経験するしかない。VRや自由視点映像の活用によって、コートにいる選手の目線で相手チームの動きを見られれば、相手選手の動きやサーブの回転をどこでもイメージできるようになる。
例えばプロ野球では、16年にNTTデータがVRヘッドマウントディスプレイを使ったトレーニングシステムを開発。投手が投げるボールを打者視点で仮想体験できるもので、東北楽天ゴールデンイーグルスが17年から本格利用している。
「コート上での練習は疲労が蓄積してコンディションへの影響を及ぼすリスクがあるが、場所を選ばずにリアルなイメージができるVRは、非常に大きな期待を寄せている」と渡辺さんは話す。
日本女子バレーチームはいま、東京五輪に向け、ビッグデータを一元管理するプラットフォームを新たに作っているという。「これまで蓄積してきた実際のプレーの結果や記録だけでなく、疲労度や睡眠時間などコンディショニングデータも蓄積できれば、10年、20年というスパンで傷害予防などにも使える可能性がある。これは大きな財産で、中長期的な活用を見込んでいる」
あと3年でどう変わるか──2020年に向け、日本女子バレーは進化を続ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
東京五輪へ連れてって
2020年の東京五輪に向け、スポーツ界のIT・テクノロジー活用が加速している。本連載では、最新のスポーツ×IT動向を知る各分野の専門家たちに話を聞いていく。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
4
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
5
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
6
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
7
iPhone 18シリーズ発表、今年はPro・Pro Maxのみ なんと“無印”なし 価格は21万9800円から
-
8
「iPhone Duo」発表 Apple初の折りたたみスマホ 36万4800円から
-
9
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
10
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR