脱「スマホのコンパニオン」 変わり続けるスマートウォッチが目指すもの(3/3 ページ)
アウトドアツールとしての高い信頼性と軽快な操作性を追求してきたWSD-F20の特長を承知の上で、筆者はふだん本機を使いながらもっとカジュアルな用途に使える機能も拡充させてほしいと思うことがある。本機にはマップデータの上に行動の軌跡を音声メモやマーカーを立てて残せるオリジナルマップの作成機能「ロケーションメモリー」が搭載されている。マーカーは多彩な種類のものが揃っているが、例えば家族や恋人とリゾート気分で旅行に出かけた時にも役立つ「ショッピング」や「映画鑑賞」などカジュアルなマーカーをダウンロードで追加できたらうれしい。もしPROTREKシリーズ以外にも、オシアナスやエディフィスなどのシリーズでスマートウォッチを展開する際には、本機と少し雰囲気の違うロケーションメモリーが搭載されたら面白そうだ。
スマートウォッチの「スマートホーム連携」はどこまでできる?
スマホやタブレットに比べると、スマートウォッチの普及はここまでやや緩やかだったように感じられる。一方ではこれから製品の種類が増えて、筆者のように自分の生活に合ったスマートウォッチの使い方を見定めることができたユーザーが増えてくれば、いずれはスマホやタブレットに迫るスケールまでスマートウォッチは普及すると考えている。その普及の鍵を握るもう1つのテクノロジーが“スマートホーム連携”だ。
Googleは日本でも発売されたスマートスピーカー「Google Home」のほか、スマートOSを搭載するテレビや、新カテゴリーの“スマートディスプレイ”、ヘッドフォンやイヤフォンにも独自のAIアシスタントであるGoogleアシスタントとボイスコントロールによるユーザーインタフェースを広げようとしている。そのスマートホーム戦略の中にスマートウォッチはどのように位置付けられているのだろうか。カシオが開催したイベントに出席した米GoogleのLeor Stern氏は、「Googleは全てのユーザーに、スマート家電やIoTデバイスを活かしたより便利な生活を提案したいと考えています。そのためにスマートウォッチは欠かせない端末の1つ」と話していた。
17年にスマートスピーカーやスマートフォンで話題を呼んだGoogleアシスタントは、カシオのWSD-F20などAndroid Wearを採用したスマートウォッチにも搭載されている。筆者も手もとのWSD-F20で改めてGoogleアシスタントの使い勝手を試してみた。
Googleアシスタントを使うため、まずWSD-F20をスマホ経由、または単体でWi-Fiを使ってインターネットにつないでおく。内蔵マイクに向かってトリガーワードである「OK, Google」を発声するか、または電源ボタンを長押しするとGoogleアシスタントが立ち上がる。日本語音声入力にも対応しているので、例えばメモを残したり、メールを登録されている指定の宛先に送ったり、タイマーや目覚ましのセット、ペアリングしたスマホで音楽再生、天気予報やGoogleマップでの道のり検索といったことが声だけで操作できた。
一方、スマートホーム機器との連携については日本語対応がまだ完全ではないようだ。Android Wearアプリからウォッチの設定画面にアクセスして言語設定で日本語を選択してもEnglishにリセットされてしまう。GoogleのStern氏の説明によれば、米国では宅内のスマート照明の操作やIFTTTアプリとの連携がもうできるようになっているという。筆者も自宅の環境で英語での音声入力も含めて試してみたが、スマホならできることがスマートウォッチからではうまく動作しない。スマートウォッチからスマートホーム機器が音声でコントロールできるようになれば、例えばキッチンに立っていて手が離しづらいときには、離れた場所にあるスマートスピーカーに大声で話しかけるよりもストレスを感じないかもしれない。いずれ日本で正式にスマートホーム連携が対応する時が訪れることを待ちたい。
これからのスマートウォッチは、単体のデバイスとしてはWSD-F20のように「アウトドアツール」だったり、スポーツ、ヘルスケアなど、ある程度用途を特化させながら、独自のキャラクターを持たせる方向に進化していくことが望ましいと思う。やたらとカメラやセンサーを取り付けて“ごった煮”にしても大きな画面を見ながら操作できるスマホの利便性にはかなわないだろうし、多すぎる機能は使いこなせない。ならば手首の位置にあって、常に肌に触れているスマートウォッチにしかできないことの方を磨いていくべきだ。もし多機能性を磨くのであれば「スマートホーム連携」については、これからまだやれること、やるべきことがたくさんあると思う。スマートウォッチが本格的なコネクティビティを持つようになった時、いよいよ“第4の波”がやってくるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
体当たりッ!スマート家電事始め
スマート家電の機能を使いこなせるようになれば、私たちの生活は豊かなものになるのだろうか? 実際の製品に可能な限り触れ、体験しながら、読者目線に立って攻略法を見つける新連載。執筆はAVライター山本敦氏。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
8
「ペンギンを返して」 Suica新キャラ候補3案公開でSNSに戸惑いの声 一般投票は8日から
-
9
早すぎる 「めっちゃカメレオン」Switch 2版、即日10万本突破
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR