実はハイテク? 若者に人気の動画アプリ「TikTok」は何がすごいのか
スマートフォン向け動画共有アプリ「TikTok」が若者を中心に話題を呼んでいる。音楽に合わせてダンスや口パクをする様子を15秒ほどの動画として作成するもので、一般ユーザーだけでなく、テレビで活躍する芸能人やネットで人気のYouTuberも利用している。TikTokはこれまで流行した動画アプリと何が違うのだろうか。
「TikTok」を支える技術
TikTokは、中国Bytedanceが150カ国以上で提供している。同社は、欧米で人気だった動画アプリ「musical.ly」を2017年11月に買収し、その存在感をさらに高めている。
TikTokの特徴は「リップシンク」と呼ばれる口パク動画。音楽に合わせて口パクする様子を自撮りして15秒ほどのショートムービーを作成、投稿する。自撮りさえ恥ずかしいという人には衝撃的かもしれないが、これまで若者の間で人気を集めてきたVine、MixChannel、Snapchatでも同じような使い方が見られた。
日本では17年夏にローンチ。同年11月にはiOS無料アプリランキングで1位を獲得している(関連リンク)。今年8月に発表されたMMD研究所の調査では、TikTokの認知度は全体で38.2%だった(18歳~69歳の男女1738人が対象)が、年代別に見ると、10代の認知度は77.7%、20代でも65.2%と若者からの支持が厚いことが分かる。
実際にアプリを起動すると、食べ物の動画をアップしたグルメ動画や、ハロウィーンにちなんだ仮装動画、メーク動画などさまざまなジャンルの動画が確認できる(10月25日時点)。動画視聴中に上下にスワイプするとすぐに他の動画に切り替えでき、右にスワイプすると動画投稿者の詳細が見られる、という直感的なユーザーインタフェースを採用している。
投稿する場合は、美肌加工やスタンプ表示などをしながら、手軽に撮影して配信できる。ほとんど動かずに顔を加工していたSNOWと異なり、大きく表情や体を動かす動画を配信できるのが特徴だろう。
創設者のチャン・イーミン(Zhang Yiming)さんは、12年にBytedanceを設立。AI(人工知能)技術を同社のコンテンツプラットフォームの核となる技術と位置付けている。16年3月にはAIの研究センター「AI Lab」を設立した(関連リンク)。研究対象は、自然言語処理、画像・動画認識と多岐にわたる。
同社は、機械学習アルゴリズムでユーザーに合ったコンテンツを提供する動画キューレションアプリ「Top Buzz」や、機械学習と深層学習アルゴリズムを搭載したニュースアプリ「Toutiao(頭条)」なども提供している。これらのサービスを通じて培った技術はTikTokにも活用されており、視聴・投稿情報をもとにしたコンテンツのレコメンド、体の動きの認識などにAI技術を使っている。
「TikTok」はリア充のもの?
これまでITmediaでは、「Vineで話題になった女子高生」や、「SNOWにハマる女子大生」「Mix Channelで踊る女子高生」「Snapchatにハマる専門女子学生」などに取材してきた。彼女たちにアプリを利用する理由を尋ねると、「ノリ」「使いやすい」「盛れるから」などの答えが返ってくる。クラスメートが利用していて、気が付くと暇なときに動画を送り合うようになるようだ。
それらと比べると、TikTokは知らないユーザーとのコミュニケーションも気軽に楽しみながら、芸能人やモデルなどの投稿もチェックできる、Instagramのような使い方に近いのかもしれない。
若者はTikTokをどう利用しているのか。筆者が知人の妹(20代前半、専門学生)に尋ねてみると、「TikTokはリア充のものだから」とポツリ。「自分の顔面が映るものなので、自信があったり、アピールしたかったりする人が使うもの」としてちょっと敬遠している様子だった。「SNOWもSnapchatも同じようなもので、高校生のときもクラスの一部の女子しか使っていなかった」と、冷静な回答だった。
一昔前(と言ってもここ数年の話だが)はテレビのバラエティー番組で、タレント同士がSNOWアプリを使って顔を入れ替え、盛り上がるという企画がよく見られた。しかし最近では、登場するアプリがTikTokに変わってきた。例えば、スタジオにいる芸能人たちに即席でユニットを組ませてダンス動画を撮影したりしている。もう世間的にはTikTokはメジャーアプリになっているのだろうか。
最近はTikTokを使う中高年男性が増えているのではという声もある。一部では「TikTokおじさん」などと呼ばれることもあるが、“おじさん”の存在に関係なく、日本でのTikTokブームはまだ続きそうだ。
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