これからのAIの話をしよう(AIベンチャー対談編)
「大企業は時間を奪っている意識がない」 AIベンチャーが本音で激論、“丸投げ依頼”の次なる課題(2/4 ページ)
大体は「おたくは何ができるの?」という上から目線で話しかけてくる。こちらが「何をやりたいのか」と開発の目的を尋ねると「そんなことは分からない。君たちはベンチャーでしょ?」と返されて会話になりませんでした。
それがようやく2018年ごろに落ち着いたかなと。AI導入を考えている企業向けにセミナーを開催しても、まともに話を聞いてもらえるようになりました。いまやっているセミナーを16年にやっても世間との情報にズレがあるので「その情報は間違っている」と言われていたと思います。
マスクド 現実的な問い合わせが増えてきましたよね。「この工場の、この工程の、こんな作業をAIで自動化できないか」というような問い合わせになってきています。
―― AIへの過度な期待や幻想が消えて、18年ごろからは依頼する企業の問い合わせ内容も現実的かつ具体的になってきたのですね。
マスクド AIベンダーに丸投げして「あとはよろしく」の路線がだいぶ減って、ちゃんとした企画が残りましたね。大まかな方向性や何をしたいかという目的がはっきりした状態で、弊社にお声がけいただくことが増えました。
田中 でも、大企業も中小企業もまだまだ人工知能を誤解していますね。データの本質をつかんでいないし、普通のシステム開発のように作れば終わりだと思っている。AIはモデルを作ってからが始まりで、新たなデータが生まれる度にそれに合わせてモデルを作り直して精度を上げていくのです。
マスクド 大企業でいえば、全てを自分たちの都合で済ませようとする会社は評判が悪いですね。人が集まっていろいろ話すんですけど「どうですか」と聞いても「まだ検討中です」だけで何一つ前に進まない。人の時間を奪うことに対して意識があまりに低すぎます。
田中 大企業と僕らベンチャーでは「時間」に対する意識が違うんです。大企業は簡単なミーティングでも3~4人ほど出てきますが、ベンチャーにはそんな時間がない。だから「とりあえず来てくれ」と言う昔ながらの企業は相手にしません。
マスクド 昔ながらの大企業は、なぜか対面を重視するじゃないですか。打ち合わせだけならテレビ会議でいいのに、「うちはセキュリティの都合でテレビ会議はダメです」と言われる。交通費も掛かるし遠方に足を運ぶのは厳しいです。
田中 うちはSkypeで済むようなところをわざわざ出向きません。日本では1回対面で会ったらその後はSkypeでもOKみたいな変なルールがありますよね? アメリカに10年ぐらいいたんですけど、いまだに日本はそういう慣習に引きずられているなと。
「AI開発で一発OKはない」「失敗におびえすぎ」
―― “古い体質”が残る企業とAIベンチャー間の温度差がよく分かりました。依頼する企業側には「時間を奪っている」という意識を持ってほしいということですね。そうした昔ながらの企業は、どのようにAI開発を進めればよいのでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
これからのAIの話をしよう
いま話題のAI(人工知能)には何ができて、私たちの生活に一体どのような影響をもたらすのか。AI研究からビジネス活用まで、さまざまな分野の専門家たちにAIを取り巻く現状を聞いていく。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
8
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
9
「若手はAI使うな」は“老害”なのか? 新人教育で「AI禁止」した企業の1年後
-
10
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR