平成のうちに知りたい元号のこと
「令和」公表後のシステム対応、どうなってる?(2/2 ページ)
Windowsの更新プログラムを一時停止
4月27日から10連休が控えている。だが、システムに関わる担当者にとって完全休養というわけにはいかないようだ。「4月末までにテストは予定通り完了するが、改元後の連休中にも確認や検証が必要。出勤は不可避」(中堅企業システム担当)とうなだれる。また、前出の政令指定都市の担当者も「移行後の確認などの対応で出勤する予定があり」と教えてくれた。ある大手ベンダーの担当者も「有事に備えて、連休中は最低でも自宅待機」と話す。
「連休中より連休明けが怖い」と訴える企業のIT部門担当者もいる。社内の改元リハーサルは問題なくクリアできそうだが、実際の改元のタイミングは連休の真っ只中だ。連休が明け、現場で新元号での業務運用が開始されたとたんに問題が発生する可能性は否定できない。場合によっては、休み明けからその対応に忙殺されるということもあるというのだ。
多くの企業で利用されているWindows OSだが、更新プログラムの適用で新元号への対応は滞りなく完了するはずだ。だが、OSの対応は完了しても更新プログラムの影響からアプリケーション側で問題が発生する可能性も否定できない。ある中堅ベンダーのマネジャーは「5月1日以降、OS内ではそれまで表示していた『平成31年』が無効化される。アプリケーション側でこれに関連する問題が発生しなければよいが……」と顔を曇らせる。
新元号への移行作業を円滑に実施するために、事前にWindows 10 Proの更新プログラムを一時停止して対応するという事例もある。毎月実施されるWindows Updateだが、通常であれば4月10日に実行され更新プログラムが自動インストールされるからだ。「社内で印字テストやリハーサルなどを実施している真っ最中にWindowsが更新されてしまうと問題の切り分け作業混乱する」(中堅企業システム担当者)ための措置だという。Windows Updateの一時停止の有効期限は最大で35日までだ。その後、自動的に解除され更新がインストールされる。
その一方で、業務上の理由により、外部ネットワークから隔離したWindows端末を運用しているある組織の担当者は、「アプリケーションの更新は、Windows Server Update Servicesを構築することで対応している」と明かしてくれた。
アプリケーションメーカー自体の新元号対応が5月1日に間に合わない例もある。中小企業を中心に多くの導入実績がある FileMakerだが、顧客管理系のシステムをFileMakerで構築している小企業の幹部は「改元を機に帳票の日付印字を西暦に変えておいてよかった」と胸をなでおろす。というのは、現在社内で使用しているFileMakerのバージョンが「16」と1世代前(2017年5月発売)のため、FilaMaker側の正式対応が「2019年6月以降、準備完了次第、アップデータをリリース」となっているからだ。ちなみに、現行の「FileMaker Pro 17 Advanced」は「2019年5月にアップデータをリリース」とアナウンスされている。件の幹部は「Windowsは、2009年発売の『7』でも改元前に迅速に対応してくれるのに……」と皮肉る。
日本中が注目した4月1日の「令和」の公表以後、多くのシステム担当者にとって記憶に深く刻まれた平成最後の1カ月であったに違いない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
平成のうちに知りたい元号のこと
「平成」もあと数カ月。第三次産業革命といわれるように、現代社会にはコンピュータやロボット、ネットワークなど、情報通信が広く普及しています。そんな社会が迎える初めての改元ということもあり、ITシステムやビジネスへの影響を懸念する声も上がっています。 この連載では、元号の生まれや改元の歴史、改元対応に追われる業界の声まで、平成のうちに知っておきたい元号と改元の話を幅広く紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
5
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
6
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
7
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
8
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
9
「若手はAI使うな」は“老害”なのか? 新人教育で「AI禁止」した企業の1年後
-
10
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR