社長交代が迫るアスクル、社外取締役らがヤフーの「ガバナンス無視」を徹底批判 対立泥沼に(2/2 ページ)
対立の経緯は?
アスクルとヤフーは、2012年4月に資本・業務提携を締結。同年10月に、ECサイト「LOHACO」を共同でスタートした。15年にはヤフーによる出資比率(議決権ベース)を約45%に引き上げ、提携を強化していた。
だがヤフーは、LOHACO事業で赤字が続いていることや、アスクルの19年5月期の連結業績で、純利益が前年同期比90.7%減となる4億3400万円に低下したことを問題視。19年1月にLOHACO事業の譲渡を、6月には岩田社長の退陣を求めた。ヤフーは、アスクルが8月2日に開催予定の定時株主総会で、岩田社長の再任議案に反対票を投じる方針を固めている。
またヤフーは、LOHACOの譲渡を求めた理由について「第2位株主であるプラスの今泉公二社長が、取締役会で『LOHACO事業の赤字が業績に影響を与えているため、中止や譲渡を考えるべきではないか』と指摘したため」などと説明し、自社の利益のためではないとしていた。
これに対してアスクルは、「ヤフーから『LOHACOを直営店にしたい』との相談を受けた」などと暴露。「ヤフーが主体的にLOHACO事業の移管を画策していることは明白」とのコメントを発表し、両社は対立を深めていた。
残された時間は短い、策はあるのか?
こうした経緯を踏まえ、アスクルは独立役員会の助言のもと、資本・業務提携の解消に向けた協議をヤフーに数回申し入れている。だが、ヤフーは「関係の見直しについての協議は不要」と拒否を続けている。
アスクルは一定の条件を満たした場合、ヤフーに対して株式の売渡請求権を行使できるが、現時点で行使の有無は明らかにされていない。
また、プラスもヤフーの方針に賛同し、「岩田社長の再任に反対票を投じる」との声明を公表済みだ。ヤフーとプラスの議決権を合計すると過半数となるため、このままでは岩田社長の退任は避けられない。
二度にわたって会見を開き、ヤフーを批判したアスクルだが、8月2日の株主総会までに残された時間は短い。今後の方針に注目が集まるが、久保利弁護士は「独立役員会はアスクルとは独立した立場であり、意思決定は(岩田社長ら)業務執行部の問題。われわれは(業務執行部が)どう動くのが一番いいかを考えていくとしか言えない」と答えるにとどまった。起死回生に向け、アスクルの執行部はどんな手段を講じるのだろうか。
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