荻窪圭のデジカメレビュープラス
iPhone 11 Proのカメラのすごさはここにあった(2/3 ページ)
iPhoneのカメラはデジタルカメラとは別の進化を始めた
でも超広角カメラを搭載したこと以上に注目したいのが、カメラ自体の進化。
ボディを薄く保たねばならない上にカメラを3つも搭載するのだから(インカメラを入れたら4つだ)、どうしても小さなイメージセンサーしか載せられないし、光学性能を上げるにも限界がある。
特に逆光耐性に関してはレンズフードを付けたいくらいなんだけど、iPhoneにレンズフード付けたらスマートフォンサイズじゃなくなるし(どっか折り畳み式レンズフード付ケースとか出さないかしら、とは思ってるけど)。
「メカシャッターを付けられない」「絞り機構を付けられない」(GALAXY S10は唯一2段階絞りを搭載しているけど)のもサイズ的な制約だろう。
そこをデジタル画像処理で補うのだが、そこの進化が良いのだ。
以前より、レスポンスが良くてほしいタイミングでさっと撮れることが多く、写りも安定してるので利用頻度が増えたのである。
そういう視点で、iPhoneのカメラがいかにして本職のカメラに近づき、独自の道を進むに至ったかを見ると実に面白い。
メカシャッターを付けられないと電子シャッターに頼ることになるが、高速に動く被写体を撮ったときの歪み(いわゆるローリングシャッター歪み)が出る、などの欠点がある。
そこはセンサー技術の進化で補っている。ソニーの得意なジャンルだ。センサーからの読み出しを高速化し、歪みをぐっと減らすことで、違和感がなくなった。
電子シャッターはメカ動作がないため、高速読み出しが可能なセンサーがあれば超高速連写が可能になる。そうすると連写+合成によるHDRも進化する。
当初iPhoneに搭載されたHDRは「構図に動体が入っているとそれが残像のように複数重なって不自然な絵になって」いた。例えば、木の葉が風で揺れるだけでそこがブレて写っていた。
だから、HDRオンオフ両方の画像を保存するオプションが不可欠だった。
今のiPhoneは「スマートHDR」と称して、常時露出を変えた連写を行い、必要な時だけHDR処理をするという技を(詳細は公開されていないがおそらくは)使ってる。
iPhone XSでは「スマートHDR」をオンにしても「オフ時の画像も記録する」というオプションを持っていたが、iPhone 11 Proではそのオプションがなくなり「スマートHDRオンオフ」のみになった。
スマートHDRをオンにしておけばユーザーはいつでも適度にHDRがかかった写真を撮れる。
スマートフォンのセンサーはサイズが小さいためダイナミックレンジも低いのだが、そこを補っているのだ。
ユーザーはその辺全然気にしなくて良いのがいい。
例えば次の写真。左がデジカメ(それもそれなりのミラーレス一眼)、右がiPhone 11 Proで撮ったもの。
iPhoneは「スマートHDR」のおかげで空が白トビしないで済んでる。
すごいもんだよねえ。
これなんか、短いトンネルから撮ってるんだけど、トンネル内に露出を合わせたら、外はほぼ真っ白になるはずなのになってない。
まあ、写真を見慣れてる人がみたら「あ、HDRだ」ってすぐ分かる不自然さはあるけれども、iPhoneでしか写真を撮らない人からすれば、こっちが当たり前の写りになっちゃうのだ。
で、HDRは露出を変えながら超高速連写して合成してるといったけど、これ、iPhone 11 Proのカメラは常時やってるのである。いつその機会がきてもいいようにシャッターを押してないときすら映像を捉えている。
もう一つ面白い例を。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
荻窪圭のデジカメレビュープラス
デジタルカメラ関連の製品レビューやコラムを掲載しています
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR