Facebook、2020年米大統領選に向けたフェイク情報対策などを多数発表
米Facebookは10月21日(現地時間)、2020年の米大統領選に向けて、プラットフォームでの情報操作などを防ぐ複数の対策を発表した。
同社は2016年の米大統領選で、ロシア政府などからの介入を許したとして非難された。
Facebookは、プラットフォーム上でのフェイクニュースの拡散を防ぐための新しいツールと、ポリシーの変更を発表し、国家と繋がるメディアによるとみられる虚偽のコンテンツをラベル付けするようになった。
また、イランとロシアに拠点を置く4つのアカウントのネットワークを削除したことも発表した。これらのアカウントは、出自を隠して扇動的な政治ニュースを投稿していたという。
発表された新機能や変更
以下のような新機能と変更が発表された。
選挙候補者のアカウントを守る「Facebook Protect」
「Facebook Protect」は、アカウントを乗っ取られて悪用されないよう保護するプログラム。対象は、選挙の候補者、政治家、米連邦および州の省庁と政党委員会の関係者。参加すると、二要素認証が義務付けられ、不審なログイン試行などについて監視される。
Facebookページの透明性の強化(ページを管理する組織名の明示)
2016年の大統領選では、ロシア政府につながるプロパガンダ企業が有色人種の権利を主張する過激なページを管理し、米国民の分断を謀ったとされている。こうした問題を避けるために、ページ所有者の正式名称、拠点、電話番号または公式Webサイトを明示する新しい「Organizations That Manage This Page」タブを追加する。
このタブは、まずは米国の企業ページと、米国で社会問題、選挙、政治に関する広告を掲載するための新しい承認プロセスを通過したページにのみ追加され、来年1月からは広告主になるすべてのページに義務付けられる見込みだ。
「国営メディア」表示
例えばロシアトゥデイなど、米国の政治関連ニュースを多数投稿する「政府の編集管理下に全面的あるいは部分的にある」メディアには、国営メディアというラベルを付ける。
これは11月からスタートし、2020年初頭からは、Instagramの投稿にも同様のラベルを付ける計画だ。
大統領候補の広告費をユーザーがチェックできるツールの提供
米大統領候補がFacebookに(広告費など)どれだけ支出しているかをユーザーが確認できる追跡ツールを提供する。
FacebookとInstagramでのフェイクコンテンツのラベリング
第三者によるファクトチェックの結果、虚偽あるいは一部虚偽と判定されたコンテンツに、虚偽あるいは一部虚偽だというラベルを付け、クリック(タップ)しないと読めないようにする。これは、11月から、Facebookだけでなく、Instagramでも実施する。
また、Facebookでは既に実施している、虚偽と判定されたコンテンツをシェアしようとすると警告を表示する機能を、Instagramでも導入する。この警告ポップアップには、ファクトチェッカーがなぜコンテンツが虚偽だと判定したかの簡単な説明があり、シェアをキャンセルするボタンと、「それでもシェアする」ボタンがある。
選挙の完全性を維持するためのポリシー変更
選挙の投票が無用であると示唆したり、投票しないよう勧める有料広告を禁止するポリシーを追加した。また、虚偽である可能性のある投票情報を迅速に特定し、削除する技術を開発した。さらに、有権者に害を及ぼす可能性おあるコンテンツの早期発見のために、外部との提携を拡大・発展していく。
メディアリテラシー教育などに200万ドル投資
何が虚偽情報なのかを判断するなどのメディアリテラシーを身につけるためのトレーニングプログラムなどを展開するために、200万ドルの初期投資を行う。全米の書店や図書館、コミュニティセンターなどで教育イベントを開催し、デジタルリテラシーライブラリに新たなレッスンを追加した。これらのレッスンはクリエイティブ・コモンズライセンスの下、世界中で無料で利用できる。
ただし、政治的広告については第三者によるファクトチェックをしない
Facebookは最近、政治広告ポリシーの文言を変更し、「第三者のファクトチェッカーによって虚偽であると判断された主張、あるいは一定の状況で特定の専門知識を持つ組織によって虚偽であると判断された主張を含む広告」を禁止するとした。
さらに、同社のマーク・ザッカーバーグCEOは17日、ジョージタウン大学で行った講演で、「政治広告はファクトチェックをしない」と語った。「これは政治家を助けるためではない。人々が自分で判断できるはずだと考えているからだ」と語った。
つまり、政治広告をファクトチェッカーにチェックさせないということは、広告であれば虚偽を含む内容であっても掲載される可能性がある。
トランプ政権は10月、「ジョー・バイデン氏(民主党)はウクライナに対し、自分の息子が経営する企業に関する捜査をしている検事総長を罷免すれば10億ドル支払うと約束した」という広告を掲載(後に広告ポリシー違反として削除された)した。
民主党のエリザベス・ウォーレン議員も10月10日、Facebookのこのポリシー変更に抗議する意図で、「マーク・ザッカーバーグ氏とFacebookはドナルド・トランプ氏の再選を支持した」という広告を出した。この広告は、「これは事実ではない」と続き、「ザッカーバーグ氏はトランプ氏にFacebook上で嘘をつく自由を与えてしまった」としている。この広告は削除されていない。
ザッカーバーグ氏が、コンテンツを虚偽かどうかを「人々が自分で判断できるはずだと考えている」のであれば、ファクトチェッカーが虚偽だと判定したコンテンツにラベルを付けるのは矛盾しているようにみえるが、それについては今のところ、Facebookから特に説明はない。
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