音声合成はAIの力で“棒読み”を脱した 飛躍の年、2019年を振り返る(1/3 ページ)
2019年は音声合成の分野にとって、間違いなく飛躍の1年だったといえる。AIが自然な発話や豊かな表情を手に入れ、活躍の場を大きく広げたのが2019年の注目すべき変化ではないだろうか。気付かぬ間にAIの話し声を聞いていることもあるかもしれない。
これまでは一部の人しか耳にすることがなかった歌声の合成についても、ヤマハとNHKが共同開発した「AI美空ひばり」の登場で、多くの人に衝撃とともに伝わったのではないだろうか。AIが芸術的な表現を身に付け、多くの人が好感を持てる音声になってきたのだ。
そのために、今までは研究者や技術者しか知ることのなかった音声合成技術が一般の人々も耳にするまでに広がり、さまざまな議論を巻き起こしたといえる。
そんな19年の注目すべき音声合成ニュースについて振り返りながら、20年の動向を予想してみよう。
AIがプロの歌手になる時代の幕開け
歌声合成といえば、まず思い浮かべるのはVOCALOIDをはじめとするソフトウェアではないだろうか。従来のソフトウェアによる歌声には機械っぽさがあり、人間でないと分かる声だった。その歌声に魅了される人々も多い。
そんな歌声合成技術に大きな変化をもたらしたのがAIだ。AIの歌声はもはや人間の声と聞き分けがつかないレベルになり、テレビのようなメディアにも露出するようになった。
例えば、女子高生AIとして知られている日本マイクロソフトの「りんな」がエイベックスから歌手デビューしたというのは衝撃的なニュースだった。ついにAIがプロの歌手としてメジャーデビューするようになったのだ。その歌声はあまりにも自然で、「AIとは思えない」「実は人間が歌っているんじゃないか」という声も上がるほどだ。今後のAI歌手の活躍を予感させるニュースだった。
また、NHKスペシャルで放送されたAI美空ひばりも非常に印象的だった。ヤマハのAI技術とNHKの映像技術などを組み合わせて故・美空ひばりさんの声を再現し、新曲「あれから」を披露したのだ。AI技術によって故人の歌声さえも再現することができるようになった上、多くの人々に感動を与えられるようになったのは、まさに驚きだ。
12月31日には、あの紅白歌合戦にもAI美空ひばりが出場するということなので、まだ見ていないという方は是非チェックしてもらいたい。
故人の再現という点で倫理的観点から否定的な意見があったのは確かだ。AI美空ひばりの歌声は昔からの美空ひばりファンに大きな感動を与えたが、一方で「テクノロジーを駆使した降霊術のようだ」と、故人をよみがえらせることへの畏怖や違和感を覚えた人もいた。
AI美空ひばりがテレビに出演したことで故人の再現が現実味を帯び、多くの人に問題提起したという点で、非常に意味のあるニュースだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR