マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!
AIブームは熱狂から平静へ? 19年のAI業界から未来を占う(2/4 ページ)
AI開発は不足から飽和へ
数年前まではAIを開発できる人材やベンダーは不足していましたが、19年で一気に増えました。ライブラリ・ツールが充実して開発環境も整備されており、ネットや書籍を通して日本語の技術情報も豊富になりました。
こうした動きもあって、AI開発の参入障壁が下がりました。かつてはユーザー企業に向けたコンペを開催しても参加企業は数社でしたが、19年前後では10社20社と右肩上がりで増えていきました。その結果、AIベンダーは需要に対して供給過多となり、飽和状態に差し掛かりました。
一般的にシステム開発は以前から取引や実績のあるSIerに依頼しますが、ノウハウが少ないAI開発ではコンペを行って新たな開発先を探します。AI開発案件を請けるためには実績が必要ですが、新規参入企業に開発実績はありません。しかしコンペであれば、見栄えの良い提案と安価な見積もりを提示すれば、新規参入者でも受注できます。
AI開発ベンダーが増えれば、ノウハウが業界や社内で蓄積されるメリットもありますが、良い話ばかりではありません。よく分からないベンダーにAI開発を依頼してしまうと、エンジニアが逃げ出し、開発責任者が左遷され、最終的には経営者が「AIは使い物にならない」と結論付けてしまうことにもなりかねません。
AI開発は性質上、完成度を保証できません。そのため本開発の前に一定の開発費でPoCを行い、本開発に進めて要件を満たせるかを判断します。その結果、実用的な完成度に至らないなどの理由で、本開発へ進めないPoC貧乏が後を絶ちません。売上につながらないPoCは「Po死」となり、プロジェクトチームどころか会社の存続すら怪しくなります。
目立った失敗事例としては、全自動で洗濯物を畳むロボットを開発していたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズの倒産が挙げられますが、表に出てくる失敗はこのように大規模かつ話題性のあるものです。事業部の閉鎖、プロジェクトチームの解散、降格などの人事異動など、表に出ない失敗は多々あります。
ベンダーの技術力や開発するエンジニアの能力に依存する「AIガチャ体質」は変わらず、ベンダー選びが重要である点は今後も変わりません。
しかし、提案段階でベンダーの能力を見抜くことは難しく、見極めにも限界があります。解決策として内製化もありますが、エンジニア不足の昨今でAIを開発・実装できる人材を採用するのは難しいのが現状です。そこで発注元企業は社内人材のAIリテラシー向上に取り組み始めています。
ここが次のテーマとなる「採用から育成」につながります。
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マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!
自称“AI(人工知能)ベンチャーで働きながら、情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが、AIをめぐる現状について、たっぷりの愛情とちょっぴり刺激的な毒を織り交ぜてお伝えします。
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