「NFC Pay」はいつ普及する? 「顔認証決済」「タッチレスゲート」は? 2025年のキャッシュレスを展望する(2/2 ページ)
話題に出ているものとしては、スマホをポケットやカバンに入れたまま通過が可能なJR東日本の「タッチレスゲート」や、大阪メトロが現在実証実験を行っている顔認証ゲートなどだ。ロイヤルホールディングスのキャッシュレス実験店舗「Gathering Table Pantry二子玉川店」では、楽天社員限定で「顔認証決済」が利用可能になっている。いずれも、まだ内部限定の実験サービスではあるが、既存技術の“先”を見据えた点で共通している。
顔認証決済のメリットと課題
顔認証などのバイオメトリクス認証を決済に利用するメリットは「デバイスレスやカードレスで利用できる」点だ。例えば、災害や盗難に遭遇して銀行からキャッシュを引き出す手段がなくなったときでもATMを利用できたり、本当の意味で“手ぶら”でふらりと店に顔を出して買い物をしたり、食事ができるようになる。
課題としては「認証に使う顔などの生体情報はどこに記録されるのか」「認証精度や情報を管理するセキュリティは十分か」「データが利用者の想定を越えた範囲で用いられていることはないか」「生体情報を決済情報とひも付けるユニークIDを用いたとき、万単位以上のデータの照合がどれだけのパフォーマンスで実行できるか」といったことが考えられる。最終的にはデータをどのように扱うかはもちろん、利用者の意図で登録や変更、抹消が可能であるかといったことが焦点になると筆者は考える。
スマホをポケットに入れたままで決済できるように?
顔認証決済については中国のケンタッキー・フライド・チキンの店舗などですでに導入が進んでいるようだが、これとは違う発想で便利さを“先”に進めたといえるのがJR東日本のタッチレスゲートだ。広報担当者によれば「ミリ波も含め、どの技術を用いるのかについて決まっている事実は(発表時点で)ない」ということで、報道内容をうのみにはしない方がいいかもしれない。
ここで同社が目指しているのは「(ICチップを内蔵した)スマホとゲートがNFC技術なしで通信する(NFCの通信は磁界強度が理由で通信速度と距離が反比例の関係にあるため)」という部分で、両者が離れた位置にあっても通信できることが重要だ。ただ、距離を離しての通信は複数あるゲート間で干渉する可能性があり、それを防ぐためにある程度電波に指向性を持たせる必要がある。発言内にミリ波というキーワードが出てくるのは、この指向性の部分が理由なのだと筆者は考えている(周波数が高いほど指向性が高くなる)。
近年のスマホ普及率は50%を超え、今後さらにその数字は伸びてくるだろう。それだけ普及したデバイスを使って新たな顧客サービスを考えない手はなく、画期的なサービスとしてタッチレスゲートが国内外にお披露目される日が近々やってくるのかもしれない。
真にキャッシュレスが根付くのはいつか
いずれにせよ、これらが2020年に一気に導入されることはなく、翌年、そのさらに翌年といった感じで少しずつ実証実験の形で姿を現し、やはり25年くらいまでの期間で出そろうことになると予想する。大阪メトロについては明確に「大阪万博まで」という意欲を示しており、やはり25年というのが1つの節目となりそうだ。
とかく鶏と卵(ユーザー増が先か加盟店増が先か)で例えられがちなキャッシュレス普及論争だが、ガラケー時代には違和感もあったスマホが今では普及したように、周囲の環境や生活様式の変化を経て「気が付いたら現金以外の支払い手段を多く利用していた」ということになっているかもしれない。それを多くの人が認識するのが5年先なのか、10年先なのかは分からないが、2025年というのはそれまでの過程で一定のマイルストーンを達成する目安になりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
2
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
3
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
6
iPhone 18シリーズ発表、今年はPro・Pro Maxのみ なんと“無印”なし 価格は21万9800円から
-
7
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
8
「iPhone Duo」発表 Apple初の折りたたみスマホ 36万4800円から
-
9
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
-
10
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR