よくわかる人工知能の基礎知識
AIとドローンで在庫管理、シフト表を自動作成 知られざる小売業界のAI活用術(2/4 ページ)
AIとドローンを使った在庫管理も
顧客対応以外の領域でも、AIの活用は進んでいる。
スウェーデンのアパレルメーカーH&M(Hennes & Mauritz)は、18年にAI部門を設立し、社内のAI導入を推進している。前述のようなチャットbotも既に開発されているのだが、ここではサプライチェーン領域での活用を紹介しよう。
物理的なモノを扱う小売業者にとって、在庫管理は最終的な利益に直接影響する業務だ。また近年は、環境問題に対する消費者の意識の高まりから、大量生産・大量廃棄というビジネスモデルを続けることが難しくなっている。
そこでH&Mでは、AIに実店舗での商品の購入・返品傾向を分析させることで、商品の仕入れに関する人間の担当者の意思決定をサポートしている。SNSや顧客データなどに基づいたトレンド予測もさせて、商品の生産・流通量の検討に役立てているという。
過去データに基づく将来予測はAIの得意領域の一つであり、同様のAI活用を進める小売・サービス業者は数多く存在している。H&Mのように、非テクノロジー企業でありながら独立したAI部門を立ち上げることは、珍しいことではなくなるだろう。
在庫管理という観点では、よりユニークなAI活用事例も登場している。画像認識技術を使って、より短時間かつ安全に在庫を把握する取り組みだ。
これはメーカーの例になってしまうが、化粧品大手の仏L'Orealグループでは、サプライチェーン関連サービスを開発する仏Hardis Groupと協力し、ドローンと画像認識技術を組み合わせた在庫管理を行っている。
映像からも分かるように、発想は至ってシンプルだ。今まで人間が目視していた在庫管理を、ドローンを使ってチェックする方式に変えたのだ。ドローンは自律飛行するため、人間が操縦する必要はない。
これによりL'Orealは、在庫管理の時間を短縮でき、深夜・休日のデータも取得できるようになった。その結果、サプライチェーンが効率化され、顧客満足度の観点からもオペレーションを改善できたとしている。
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よくわかる人工知能の基礎知識
いまや毎日のようにAI(人工知能)の話題が飛び交っている。しかし、どれほどの人がAIについて正しく理解し、他人に説明できるほどの知識を持っているだろうか。本連載では「AIとは何か」といった根本的な問いから最新のAI活用事例まで、主にビジネスパーソン向けに“いまさら聞けないAIに関する話”を解説していく。
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