身に覚えのない170万円の請求が……AWSの運用管理で起きた“4つのしくじり”(4/4 ページ)
「バーストクレジット」の使い切りに注意
4つ目のしくじりは、「思わぬリソースの枯渇」。
アイレットがAWSのファイル共有サービス「Amazon Elastic File System」(EFS)を使ったシステムを構築し、運用を続けていたところ、ある日を境にサービスのパフォーマンスが極端に低下するようになった。サーバやデータベースの稼働状況には何ら問題はなく、なかなか原因を特定できなかったが、最終的に判明したのが「EFSのバーストクレジットの枯渇」という現象だった。
EFSは「バーストクレジット」と呼ばれる仕組みを通じて、パフォーマンスを自動的に調整している。これは、システムの利用量があらかじめ定められた閾値(しきい値)を下回ると「クレジット」がたまり、上回った場合は、たまっているクレジットを消費することで性能を一時的に引き上げられる仕組みだ。
ただし、このバーストクレジットを全て使い切ってしまうと、基本性能以上の性能は出なくなる。そのため、高い負荷が掛かった場合には極端にパフォーマンスが低下する。
今回構築したシステムでは、このバーストクレジットの監視を行っていなかった。そのため、画像の読み込み時など大容量のデータを扱う際に、基本性能を超過してバーストクレジットを使い切ってしまい、パフォーマンス低下を引き起こしていた。
「最終的にはバーストクレジットを使わずに、あらかじめパフォーマンスを指定できる『プロビジョンドスループット』というモードに切り替えることで事なきを得た。バーストクレジットの仕組みはEFS以外にも、EC2のCPUやEBSなどにも適用されているため、今後は同じ問題に直面しないよう、あらかじめその動作を把握しておくことが重要だ」(古屋さん)
高額請求が来たり、予期せぬエラーが出たり、突然止まったり……。便利な印象のあるクラウドだが、その運用は一筋縄ではいかないようだ。だが古屋さんは、これらの失敗の原因を突き詰め、対策を練る中で、新たな知識を得たとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
GMO、攻撃者による情報公開を確認 顧客データ含むか調査中 追加の見舞金も検討
-
7
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
8
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
9
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
10
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR