動画編集実務で計るM1 Macの実力
M1搭載MacBook AirとDaVinci Resolve 17βでスピード編集してみた(3/4 ページ)
これまでの常識では、4K解像度のH.265素材をそのまま編集するのは、かなり重い処理である。したがって多くの場合はプロキシ編集するか、あるいは編集向けの低圧縮コーデックに変換して編集を行うのが普通だ。しかしM1搭載MacBook Airでの編集では、特にプロキシなど作ることなく、そのまま編集できる。長いクリップの再生時に時々ひっかかることがあるが、止まるわけではないので編集の実作業的にはそれほど支障はない。
タイムライン再生時の負荷をアクティビティモニタで観察してみたが、CPUもGPUもそれほど使っていない。負荷としてはIntelバイナリのDropboxよりも低い。
同じ編集データを、Intel版バイナリで走らせてみた。こちらも再生で引っ掛かることはないが、かなりCPUを酷使しているのが分かる。一方GPUの利用率は3割程度だった。
スピード編集には、ジョグ・シャトルの追従性が重要になるわけだが、Bluetooth接続の割にはレスポンスが気になるようなところもなかった。ジョグの感じはかなりテープ編集に近いが、シャトルはテープよりもかなり速い。最大スピードでは、実時間で5分ぐらいのクリップでも6秒程度で進みきってしまうので、長回しが少ないコンテンツでは使いづらい。
その代わり、ダイヤルに設けられた「スクロール」が使いやすい。これはジョグと同じく、回した分だけ先に進み、手を離すと止まる方式だが、スピードコントロールがしやすいので必要なポイントが見つけやすい。ジョグのすごくスピードが速い版といった動きで、テープ編集にはなかった機能である。これらの動作をH.265をリアルタイムでデコードしながら支障なく動作させるのだから、ここでもM1のパフォーマンスの高さが実証された形だ。
タイムラインの移動に関しては、次や前の編集点に一発で戻るボタンもSpeed Editorに欲しかったところだ。UI画面上にはこれを実現するボタンがモニター画面下にあり、キーボードショートカットは上下アローキーなのだが、できればSpeed Editorから手を離さずに編集したいところである。
Speed Editor用のユーティリティーも提供されているが、現時点ではファームウェアのアップデート程度の機能しかなく、Speed Editorのキーをカスタマイズする機能はない。
一般的なニュースコンテンツの編集においてSpeed Editorが残念なところは、中央の一番いい場所にある数字キーが、マルチカメラ編集時以外は全く使い道がないところだ。
確かにマルチカメラ編集は大変な作業ではあるが、昨今はスイッチャーが廉価になったことで、音楽ライブ収録でも現場でスイッチングしてくるのが普通なので、本当に一からバラバラのカメラ素材を編集する機会は少なくなっている。この9キーをユーザーがカスタマイズできるようになると、さらに効率は上がるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
動画編集実務で計るM1 Macの実力
技術ジャーナリストで映像技術者でもある小寺信良さんが、業務で使う動画編集でM1搭載Macがどの程度使えるのか、検証する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR