「次のWindows」も発表間近な今、各社OS戦略を考える Google I/O、WWDCから(2/3 ページ)

「スマートウォッチOS」から見えるGoogleとAppleの違い

 一貫性で評価するならAppleは明確に他社とは異なる。ただしそれは、Appleが「自社製品同士の連携だけを考えればいい」「自社製品を連携することで、自社ハードウェアをより多く販売するビジネスモデルである」立場であるからで、他社とは位置付けが異なって当然ではある。

 そういう意味では、Googleは「Androidだけでいろいろなことを行う」という戦略を明確に放棄しているように思える。

 その最たるものが、2021年のGoogle I/Oで発表された、スマートウォッチ用OS「Wear OS」の戦略だ。

 2014年にWear OSが生まれたとき、名称は「Android Wear」だった。OSのコアがAndroidベースであり、自然なネーミングではある。だが、2018年には「Wear OS」に名前を変える。実はAndroid Wearは、初期(2015年)からiOSにも対応していた。いろいろなスマートフォンで使えることを一つの利点としていたので、「Android専用」のニュアンスを感じる名称はマイナスの面があったのだ。そこで、「ウェアラブル向けOS」というニュアンスを強める意味で、2018年には「Wear OS」に名前が変わった。

 2021年はさらに、OSのコアがAndroidではなくなった。サムスンとの協業により、サムスンが自社のスマートウォッチ「Galaxy Watch」に採用してきたTizenをコアに変更した。Galaxy Watchはバッテリーの持ちが良いことで定評があり、その理由は、OSコアとしてTizenを使っていたから……といわれている。スマートウォッチに関する不満点が「バッテリー動作時間」に集中している以上、Wear OSに大きくテコ入れをするなら、Androidを離れてTizenへと切り替えるのは納得できる選択だ。

photo GoogleはWear OSのコアを、サムスンと協力し「Tizen」ベースに変える

 スマートウォッチも進化が進み、結果的にだが、「スマートフォンとまったく同じソフトが動く」ことは求められなくなっている。スマートウォッチやサービスとちゃんと連携し、より最適化したアプリケーションが動くことが重要になっているからだ。だから、OSコアの切り替えもそこまで大きなリスクはない。

 一方、Appleは違う。Apple Watchは最新版の「watchOS 8」もiOSから派生した技術になっている。自社でハードを生産し、販売することが中核のビジネスなので、利用する半導体戦略までが重要になる。iPhoneと連動したヘルスケア・フィットネス機能が重要になっているので、OS連携やデータ処理といった、負荷が重くなる処理も積極的に搭載し、それを支えるプロセッサもちょっと「性能高め」といっていい。その分バッテリー動作時間が課題だ。これは筆者の予想だが、「いきなり数倍になるならともかく、ならないならこの路線で、少しずつでも伸ばしていければ」とAppleは考えているのではないだろうか。

photo Appleは今も各デバイスのOSコアを同じ技術とし、全てで自社半導体を使い、「統合されていることを強み」とアピールする
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