“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る
Modern PCの礎、PCIはどう生まれ、いかに成立していったか(1/5 ページ)
IBM PC、PC/AT互換機からDOS/Vマシン、さらにはArmベースのWindows PC、M1 Mac、そしてラズパイまでがPCと呼ばれている昨今。その源流からたどっていく大原雄介さんによる連載。前回はUSB。今回はUSBと並んで現在も使われているバス技術、PCIの歴史を解説する。
前回はUSBの話をご紹介したわけだが、いろいろな意味でその基礎になっているのがPCIである。
標準化団体を作り、そこで仕様の核の部分を少人数で決定した後、少しずつメンバーを増やしながら仕様をブラッシュアップしていく手法や、PlugFestと呼ばれる相互接続性試験を頻繁に行うなどの、「仕様を確立し、それを普及させていくための方法論」はPCI由来のものである。ただし、それだけではない。
- Plug & PlayデバイスをOS Kernelで扱う(PCIもPlug & Playであるためダイナミックなデバイスドライバのロード/アンロードの仕組みがKernelに要求される)ための仕組みはPCIが先に実装しており、この枠組みをそのまま利用できた
- USB 1.1で実装されたLow Speed(1.5Mbps)はともかく、Full Speed(12Mbps)は、ちょっと前だと扱うのがかなり困難な「高速な信号」に分類される速度であったが、実際にはそれほど問題にならなかった。というのは、PC業界はその前にISA(信号速度8.33MHz)からPCI(33MHz)への移行を経験しており、それに向けて例えばPCB(プリント基板)の材質改善とか配線層の厚みの均一化、ICに高速なドライバの搭載、信号電圧の低下への対応などの課題を苦労して乗り越えてきていたからだ。こうした経験があったことで、USBの普及時にはすでに12MHzくらいの信号だと「高速な信号」の範囲に入らなくなった
といった形で、さまざまな恩恵を受けることができた。
さてそのPCI、正式名称がPeripheral Component Interconnectなので、本来PCI “Bus”と呼ぶのは正しくない気がするのだが、PCI Specificationでのタイトルは“PCI Local Bus Specification”となっており(写真1)、それもあってPCI Busという表記が多い。まあどっちでもいい、ということだろう(本稿では筆者の趣味でPCIのままとする)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る
RISCの歴史、Apple Siliconの歩みを語ってきた大原雄介さんのコンピュータ歴史連載、テーマはズバリ「PC」だ。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR