音楽番組の“民主化”をかなえてくれたSpotify「Music + Talk」 で、Appleはどう出る?(3/3 ページ)
SpotifyとApple Musicで音楽番組の民主化を盛り上げてほしい
そして、「Music + Talk」が始まった。ポッドキャストのプラットフォームである「Anchor」にトークの音声をアップロードし、専用のUIでSpotifyの楽曲を指定してあげれば、音楽番組の完成だ。15年来の夢をSpotifyが実現してくれた瞬間だ。ちなみに、Anchorは2015年の創業で、2019年にSpotifyが買収している。Spotifyは、以前からポッドキャストにも力を入れていた。
Anchorは、Spotifyを含めApple Podcast、Google Podcastsなど全部で8か所のアグリゲーションプラットフォーム同時配信が可能だ。筆者は以前からAnchor経由で、全てのプラットフォームに「70年代クラブ」を配信していたので、アップロード済みの既存コンテンツに、後からでも音楽を挿入できるかどうか試してみた。
しかし、いきなりエラーメッセージが出た。複数のプラットフォームへ配信している場合は、楽曲を挿入した番組は作れないのだ。音楽を使ったポッドキャストを作りたければ配信先をSpotifyに限定しなければならない。
まあ、これは当然だろう。音楽パートは、Spotifyのストリーミング配信を利用する仕組みなので、他の音楽配信プラットフォームに楽曲が流れたらややこしいことになる。
ポッドキャストの本家ともいえるAppleの音楽ストリーミングサービスであるApple Musicから、このようなサービスが登場していないのはとても残念だ。
Apple MusicのAPIを公開しているくらいなので、その気になれば難しい話ではないと思うのだが。
ライバルのSpotifyは、リアルタイム音声コミュニケーションの「Greenroom」(Clubhouseみたいなもの)を始めるなど、音声コミュニケーション領域の開拓に積極的だ。
今のAppleは、外野からは、Spotifyの後塵を拝しているように見える。Spotifyが2月に実施したバーチャルイベント「Stream On」でポッドキャストの有料化を発表したら、後に続けとばかりに、Appleも5月からApple Podcastの有料化を進めた。
Apple Music Radioでは、トーク番組による音楽紹介に力を入れているが、これは、プロDJの領域であり、こと情報発信という意味では、われわれ一般庶民とは無縁の世界だ。
iTunes Music Storeで、音楽業界に革命を起こした企業なのだから、他の企業の二歩も三歩も先を行く、一般ユーザーにフレンドリーな情報発信サービスを期待するのは、ユーザーのエゴだろうか。
「Music + Talk」について語るこの原稿、いつのまにか、Apple Musicに対する批判になってしまったが、Music + Talk的なサービスこそ、最初にApple Musicで実現してほしかった。Spotifyを双璧を成す音楽サブスクだけに、切磋琢磨して、後追いでもいいので、音楽番組の民主化を盛り上げてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
9
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
-
10
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR