クラウドからの情報漏えい、責任は誰に? SaaSやPaaSの大前提「責任共有モデル」とは 総務省が解説(2/2 ページ)
責任分界点の把握は、セキュリティ事故への備え
責任共有モデルは、利用企業が把握することが大前提だ。事業者側が責任範囲を明確にして明文化していても、利用企業が把握していなければセキュリティ事故につながる可能性がある。この場合、契約上は利用企業の責任が問われるため、きちんとチェックする必要があると佐々木主査は話す。
万が一セキュリティ事故が起きたときに備えて、対応を利用企業と事業者の間で相互認識しておく必要がある。その際にどちらが責任を取るか明確にするためにも、責任分界点の把握が重要となる。
クラウドサービスの提供形態が複雑化 「関係するサービスを気にすると良い」
クラウドサービスの提供形態が複雑化している場合もある。「Amazon Web Services」や「Microsoft Azure」のようなPaaS・IaaSの上に独自のSaaSを構築したり、API連携などで複数のサービスを合わせて1つのクラウドサービスとして提供したりする事例だ。
複数の事業者が関わっている場合、基本的には利用企業と直接契約する事業者との間で責任範囲を明確化することが重要になる。
佐々木主査は「使うサービスの背後にどんなクラウドサービスが関わっているかを気にすると良い。例えばIaaSの基盤が海外にあり、そこにデータが蓄積されていることを把握せず利用するのはリスクが高い」とアドバイスする。障害が起きたときの原因把握や対応スピードにも差が出る。
事業者が提供する設定確認ツールの活用を推奨
総務省はクラウドサービスを提供する事業者に対して、利用企業がサービスの利用環境やリスクなどを判断できる情報を提供するよう求めている。クラウドの設定内容を確認するツールや理解促進に役立つ資料を提供している事業者もあるといい、利用企業にはこうした情報の積極的な活用を推奨している。
「一概に利用企業側の問題だけでセキュリティ事故が起きるわけではなく、事業者側にもできることはある」(佐々木主査)として、同省は利用企業と事業者それぞれ意見を聞きながら「どちらが悪い」ではなくお互いに安心安全なクラウドサービスを目指し、22年3月までに新たな施策を行う予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR