ソニーがBungie買収で手に入れたかった「とあるノウハウ」 勢い増すゲーム企業の買収合戦(2/3 ページ)
ソニーがBungieに期待する「ライブゲーム・サービス」のノウハウ
SIEはなぜBungieを買収したのか?
マイクロソフトによるActivision Blizzardの買収に対抗し……と言及されることが多いのだが、この辺はちょっと微妙ではある。
この種の買収交渉には長い時間が必要なので、当然ながら、Activision Blizzard買収の発表から動いた話ではなかろう。Activision Blizzardの話があったので発表タイミングが早まった可能性はあるが、直接的な「対抗」なのはそのくらい。SIEとしてずっと進めてきた「買収戦略」の一環なのだろう。
ソニーグループ・代表執行役副社長兼CFOの十時裕樹氏は、2月2日に開催した、ソニーグループ・2021年度第3四半期決算説明会の中で、Activision Blizzard買収の影響についての筆者からの質問に、「まだ終わった話ではなく、どういう変化が起きるかも読みづらいため、他社のM&Aの影響について、予断を持つのは避ける」とコメントした。
その上で、Bungieの買収について、3つの柱を提示した上で、特に「ライブゲーム・サービスへの期待」を語る。
ライブゲーム・サービスとはいわゆるネットワークゲームのこと、と考えていただいてかまわないが、中でも多くの人が同時に参加し、楽しむタイプのものを指す。
以下のグラフは、ソニーグループ・2021年度第3四半期決算説明会の中で示されたデータだ。
全世界で消費者がゲーム関連のビジネスに投じた金額をまとめた統計だが、2014年以降、市場全体は12%成長したなかで、「ゲームのアドオンコンテンツ」は15%成長しており、実質的に、「ゲームをプレイするためにアドオンに投じたお金」が、市場の伸びを支えているのがわかる。この統計はモバイル・PC・家庭用ゲームなどすべてを合計した額、という前提で見ると、納得していただきやすいのではないかと思う。
Bungieの現在の主力商品は「Destiny」シリーズであり、特に現在展開中の「Destiny 2」は基本プレイが無料、追加コンテンツやゲーム内通貨に課金する形になっている。まさに「ライブゲーム・サービス」であり、その運営を長く続けているだけに多くのノウハウもある。
十時氏は2025年までの目標として、「自社制作ゲームの売上を現在の2倍以上に拡大すること」「10タイトル以上のライブゲーム・サービスを立ち上げること」を掲げている。
オンラインゲームの収益とそのノウハウ、ユーザーベースの獲得、という流れだと分析すれば、Activision Blizzardの買収も似た目的を持っているわけだが、ソニーとBungieは、目的をより明確に示したといえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
9
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
10
デジタル庁に不正アクセス、個人情報24.6万件漏えいか 各府省庁の職員情報など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR