西川善司の「日産GT-Rとのシン・生活」
新車買ったらペイントプロテクションフィルムを ボディーコーティング、スマホの保護フィルムとはここが違う(5/7 ページ)
クルマの場合は、ボディー表面が立体的な造形にあふれており、1枚の平面フィルムを引き伸ばしながら貼るだけでは綺麗に収まらない状況が頻発する。つまり、適度なフィルムの分割(カッティング)を組み合わせて貼っていく必要があるのだ。
しかし、ボディー面の平面箇所でフィルムをつなぎ合わせてしまえば、継ぎ目が露見しやすくなる。となると、フィルムの継ぎ目はボディー面の立体的なエッジ付近に合わせた方が目立たなくできる。しかし、エッジ付近にフィルムの末端が来てしまえば、そこから水や埃が入り込んでフィルムの劣化が加速し、剥がれやすくなってしまうかもしれない。この部分をうまく施工できれば、PPFメーカーの公称耐用年数を超えて効果を持続させることも可能になるかもしれない。
そんなわけで、この辺りの「フィルムの継ぎ目を目立たなく美しく仕上げること」と「剥がれにくく施工し、耐用年数を最大化すること」については、PPFメーカーの素材改良よりは、施工職人の腕前の方が重要になってくることは容易に想像できるはずだ。
さて、ここまでを読了した読者の中には「最近流行のカー・ラッピングのようなものだね」という感想を持った人も多いことだろう。
ラッピングとは、クルマのボディーを再塗装することなく、任意の色や柄、材質(テクスチャ)感つきのフィルムをクルマのボディーに貼り込むことで、クルマの見栄えのコーディネートを楽しむ手法のこと。
確かにPPFの施工技術は、ラッピングの施工技術に共通するところは多い。
ただし、用いられるフィルム素材自体は全く異なっており、ラッピング用のフィルムには特段、耐衝撃性能は与えられていない。もちろん、実体フィルムが貼り付けてある分、元のボディーカラーの保護には貢献するが、飛び石なとが衝突した場合のクッション効果はPPFの方が圧倒的に上だ。というのも、PPF自身に強い弾性特性があることと、そもそもフィルム自体の厚みがラッピングフィルムより厚い……といった辺りが耐衝撃性能に貢献するからだ。
また、PPFは基本的に透明フィルム製品が中心で、有彩色主体のラッピング用フィルムとは見栄えも大きく違っている。とはいえ、PPFとラッピングフィルムのクロスオーバーを望む声は大きいそうで、有色版PPFの開発は進行しつつある。実際、既に、黒などの無彩色系PPFは一部のメーカーからリリースが始まっている。
ラッピングとの共通点も確かにある。
例えば、PPFも、経年劣化した場合に、ラッピングと同様に剥がすことができる。万が一、PPFが何らかの影響で剥がれてきてしまった、汚れてしまった、あるいはお湯タオルで復元不能なほどにPPFがダメージを負ってしまった、といった場合は、PPFを剥がして改めて部分施工してもらうことは可能となっている。
なお、事故などに遭遇し、PPFごと、ボディーを大きく損傷し、保険金を使って直すという場合は、PPF施工の証明書(施工工房の領収書等でもOK)があれば、ボディーの修復に留まらず、PPF施工までを、自動車保険でカバーできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
西川善司の「日産GT-Rとのシン・生活」
IT系ライターの西川善司さんはクルマ愛好家でもあり、スポーツカーに関する記事も執筆している。そんな西川さんが手に入れることになった最新スポーツカー「GT-R nismo Special Edition」を切り口に、これからのクルマのものづくりを解き明かしていく。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR