分かりにくいけれど面白いモノたち
トンボ鉛筆のデザインペン「ZOOM」が復活 迷走の末に辿り着いた“1本の美学”とは?(8/8 ページ)
実際、エレガントといってもいいくらいのまとまりがある。クリップが末広がりになっているというのは、相当変なのだけど、上に逆円すい状のボタンがあって、その2つの三角形が並ぶことで、良い感じにバランスがとれている。そういう反復も随所にあって、造形的にとても面白い。
「L2」にはシャープペンシルもあって、これがまた使いやすい。どういう持ち方をしても、良い感じにバランスが取れるので、デッサンなどの絵を描くのにも使えるし、三角形のグリップは持ちやすく、ホールディングも良いので、しっかりと長文を書くのにも向いている。国府田氏は、見た目からデザインしたと仰っていたけれど、それが、きちんと使いやすさにつながるのだから、デザインが間違っていなかったということではないか。
「筆記具のデザインの基本に、3の倍数で考えるというのがあるんです。それは絶対的な考え方で、だから三面体で作った時に、それが持ちやすくなるだろうということは分かっていました。とはいえ、完全に造形先行で、ソフトフィール塗装も、マットな塗装にしたいなと思っていたところに、ちょうどうちのデザイングループの取り組みの一つである『新しい素材や製法、表現の探索、活用』を行なっている中で見つけて、採用した感じです」(国府田氏)
今回のZOOMシリーズでは、新しい素材を使うというのもテーマの一つで、それもあって、ジュラルミンやDURABIO、ネオラバサンなど、聞きなれない素材が使われている。しかし、それらが、デザインの中に綺麗に生かされているのが美しい。
まだ、新しいZOOMは始まったばかりで、しかもトンボ鉛筆では、かなり長期的な計画を立てているという。まだ、Cシリーズの更に上位に当たるシリーズも登場する予定だ。デザインをメインにしつつ、使える筆記具をというシリーズは、世界中探しても、ほとんど無いわけで、しかも、話を聞いてみると、遊び心やユーモアも忘れていないことが分かった。筆記具好きとしては、今後のシリーズ展開にも期待したい。
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分かりにくいけれど面白いモノたち
ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。
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