小寺信良のIT大作戦
ここがヘンだよ、地方公立高校のパソコン“1人1台”事情(4/4 ページ)
「ありえないでしょ」があり得る教育現場
学校側も、導入端末について何をどこまで説明するのかということに関しては、悩ましい立場だろう。あまり説明しすぎても「分からない」として余計疑問が増えるという可能性もある。「もうこれで決まってますのでお願いします」で乗りきってしまいたいというのも分からないでもない。
だが、それは「公的な教育機関がやるべき対応なんですかね?」という気がする。これ、生徒にもそんな調子で細かいことは説明せず「いいからやれ」という調子では困る。
また3年間使用した端末は、3年後にどうなるのかも分からない。端末は保護者がお金を払っているので、そのまま持ち帰りになるだろうが、子どもの成果物は全て教育委員会発行アカウントのクラウド上にある。これは持ち帰れるのだろうか。3年間の学習成果や制作物は、全て点数にカウントされて通知表や内申書に反映されているからOK、というわけにいかないのではないか。
また持ち帰った端末は、教育委員会のアカウントを抜いて、自分のアカウントを入れる事になるわけだが、そうした指導はあるのだろうか。子どもができなければ保護者がやるしかないが、そうしたことができない保護者も多いだろう。
いわゆる端末の「卒業処理」みたいなことは、もう今年3月からすでに問題になっている。セキュリティの観点から、学校で作った成果物は個人のPCへのデータ移行が認められないというのだ。
普段からITの上で仕事をしているわれわれからすれば、「そんなのありえないでしょ」と思うことが起こるのが、教育現場である。子供たちにICTを教えるより先に、ICTの常識を教育委員会に学んでもらう必要があるのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
7
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR