小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
日本生まれのプロ向け映像編集ソフト「EDIUS」 新バージョンで強化した“小規模ワークフロー”とは(3/3 ページ)
企業の「動画やらねば」ニーズにも対応
一方でEDIUSユーザーも次第に層が広がり、現在はビジネスユーザーにも多く受け入れられている。マーケティングや広報などで動画を扱わなければならなくなった人達だ。ビジネスユーザーは動画フォーマットやコーデックなどに詳しいわけではないので、それに対応した機能強化が行なわれた。
多くの編集ツールでは、プロジェクトやタイムラインの設定と素材の素性が違っていると警告を出す仕組みがある。一方EDIUS 11では、まずMync 11で素材の動画情報、例えばフレームレート、解像度といった情報を読み取ってプロジェクトを作り、EDIUS側へ渡すことで、プロジェクト設定と素材の素性を合わせる事ができる。
また各種SNSに対応できるよう、著名SNS用の出力をプリセットした。筆者も経験があるが、各SNSの対応解像度やアスペクト比、ビットレート、コーデックなどを調べるのはなかなか大変だ。せっかく公式資料に行き当たっても情報が古く、すでに現場の方では違う設定でも受け入れるようになっていたりといったことはよくある。これがあらかじめプリセットになっているのは便利だ。
さらにEDIUSでは、APIの公開も積極的に行なっている。昨今の編集ツールはAIへの対応や統合が行なわれているが、EDIUSはその点では遅れをとっている。この遅れを、外部の開発者の力を借りて埋めようとしている。例えばギャップの自動検出や顔認識、映像品質チェックといったツールが拡張できるわけだ。Chorus Hubによってシステムが統合されているので、より高度な拡張も可能になるはずだ。
元々EDIUSは、旧カノープスのDVキャプチャ製品に付属していた編集ツールの開発者らが手がけており、コンシューマから業務ユーザーへの導線も強い。GlassValleyのそもそもの顧客である放送系のユーザーも含め、今後はAPIによるオープン化と、新規ビジネスユーザーの獲得がポイントになるだろう。
ただAPIによる拡張はどうしても本体側のアップデート情報には含まれないので、コミュニティの中で情報共有していくしかない。日本にはユーザーグループは多いが、開発が進むのはもっぱら海外という事情もある。開発元のGlassValley Japanが情報収集から広報、導入レクチャーまで頑張っていくしかないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
クラウド活用にリモート編集環境と、映像にまつわるプロフェッショナルの分野にDXの波が押し寄せている。プロの現場で何が起こっているのか。最新のITトピックを小寺信良氏が解説する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
3
VTuber「兎田ぺこら」グッズにSNSで風評被害→示談成立 「保護者同伴で謝罪などがあったため」
-
4
JALの予約システムに不正アクセス 約9万人分の予約情報が漏えい 一部ではパスポート番号も
-
5
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
6
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
7
Anthropic、独自の“創薬活動”に着手 社員1人のバイオ企業を買収、小児難病の治療薬研究を進める
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
10
「対策を後回しにしたサーバが軒並み狙われている」 相次ぐ不正アクセスにラックCTOが警鐘
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR