OpenAIの現・元従業員ら、AIシステム構築の無謀さと秘密主義を告発
米OpenAIの現従業員、元従業員のグループは6月4日(現地時間)、Google DeepMindの2人の従業員とともに、OpenAIを含むAI企業に対し、AIに関する安全性対策の改善と、危険性を報告した従業員の保護を求める書簡を公開した。
署名した13人中4人はOpenAIの現従業員として匿名で記載されている。
研究者が報復を恐れることなくAIの危険性について「警告する権利」を持てるよう、AI関連企業に強力な内部告発者保護を確立するよう求めている。
「私たちは最先端のAI企業の現従業員および元従業員であり、AIが人類に前例のない利益をもたらす可能性を信じている」が、「AI企業には効果的な監督を回避する強い経済的インセンティブがあり、企業統治の特注構造ではこれを変えるのに十分ではないと考えている」という。
グループは、「AI企業はAIの危険に関する膨大な非公開情報を保有しているが、こうした情報を政府機関に開示する義務はほとんどなく、ましてや社会に公開する義務はまったくない。(中略)この現状では、企業に責任を問えるのはほぼ現・元従業員のみだが、広範な秘密保持契約などにより、懸念を表明できない」とし、AI企業に求める“原則”を提示した。
その中には、懸念を表明した現・元従業員に報復措置をとらないよう求める項目もある。
OpenAIは自社の退職合意書に生涯にわたって元雇用主を批判することが禁じられており、この合意書への署名を拒否した場合、在職中に獲得したストックオプションなどのすべての既得権を失うという条項があると報じられた。サム・アルトマンCEOはこうした条項があったとは「知らなかった」とXにポストした。
告発者グループの1人で4月にOpenAIを退社したダニエル・ココタジロ氏は、2022年にガバナンス研究者としてOpenAIに入社したが、「AGI時代に責任ある行動をとるという自信がなくなったため、OpenAIを辞めた」とオンラインコミュニティLessWrong上の自身のプロフィールに記している。
同氏は15日、LessWrongに「AGIはおそらく2029年までには登場すると思う」と投稿した。
この公開書簡には、2018年度のチューリング賞を共同で受賞したAI科学者、ヨシュア・ベンジオ氏とジェフリー・ヒントン氏、安全性について研究する非営利の研究組織Future of Life Institute(FLI)の顧問を務めるスチュアート・ラッセル氏が推奨者として名を連ねた。
OpenAIの広報担当者は米New York Timesに対し「われわれは最も有能で安全なAIシステムを提供してきた実績を誇りに思っており、リスクに対処するための科学的アプローチを信じている。この技術の重要性を考えると、厳密な議論が不可欠であることには同意しており、今後も世界中の政府、市民社会、その他のコミュニティと連携していくつもりだ」という声明文を送った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR