日本の製造業に対応を迫る「欧州サイバーレジリエンス法」とは
日本の製造業にも影響大? 新たな法規制「欧州サイバーレジリエンス法」対応に必要な要件は 先行する規制から考える(1/2 ページ)
欧州ではIoT機器のサイバーセキュリティを強化するための法規制が相次ぎ生まれている。中でも、日本の製造業に大きな影響を及ぼすと考えられるのが、無線機器のサイバーセキュリティ強化を求める欧州無線機器指令(RED)と欧州サイバーレジリエンス法(CRA)だ。本連載ではこのうちCRAについて、製造業各社が対応するために必要な基礎知識と方法論を3回にわたって解説する。
連載第2回の本稿では、CRAで求められる具体的なサイバーセキュリティの要求事項(整合規格)に関する最新状況を整理する。
CEマーキングと整合規格についておさらい
本題に入る前に、前提知識となる「CEマーキング」についておさらいしておこう。CEマーキングは、欧州連合(EU)で製品を販売するに当たり、安全、健康、環境保護などの基準を満たしていることを示すマークのことで、適用される製品は電気機器、産業機器、医療機器、玩具など多岐にわたる。
製品にCEマーキングを付与するためには、技術的な要件に適合している必要があり、この基準は「整合規格」(Harmonized Standard)と呼ばれる。整合規格を策定できるのは欧州標準化委員会(CEN)、欧州電気標準化委員会(CENELEC)、及び欧州電気通信標準化機構(ETSI)で、整合規格が策定された場合には、欧州官報(Official Journal)で告知される。
CEマーキング制度導入と同時に「欧州統一規格制度」が策定された。欧州統一規格は「EN規格」(European Standard)と呼ばれ、国際標準化機構(International Organization for Standardization)が定める「ISO規格」、もしくは国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)が定める「IEC規格」に整合した内容となっており、今後、CRAの適合判定を行うためにEN規格が制定されると予想される。
また、EN規格には対になる文章として、技術的仕様を定めた「TS文書」(Technical Specification)が発行されることがある。TS文書は特定技術分野における詳細な要件、評価方法ガイドラインなどを提供する狙いがあるが、EN規格がこれらの内容を十分に包含している場合には作成されないこともある。
製造事業者としてはいち早く整合規格を手に入れ、どのような技術要件が求められるか理解し、製品開発に反映させたいところだ。しかしここ数年、欧州の認証制度、特に、サイバーセキュリティに関連する分野は整合規格の策定に遅れが目立つ。
実際に、2024年8月15日時点ではCRAについての整合規格は発表されていない。製品のサイバーセキュリティ対策には最低でも1年、長ければ2~3年の時間を要することも少なくないので、開発現場としては指をくわえて待っているわけにはいかないはずだ。
そこで本稿ではCRAと類似点が多いREDの整合規格案を参考に、製造事業者が参照すべき規格についてみていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
日本の製造業に対応を迫る「欧州サイバーレジリエンス法」とは
欧州ではIoT機器のサイバーセキュリティを強化するための法規制が相次ぎ生まれている。中でも、日本の製造業に大きな影響を及ぼすと考えられるのが、無線機器のサイバーセキュリティ強化を求める欧州無線機器指令(RED)と欧州サイバーレジリエンス法(CRA)だ。本連載ではこのうちCRAについて、製造業各社が対応するために必要な基礎知識と方法論を3回にわたって解説する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
auメールで朝から障害 全国で利用しづらい状況に
-
6
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
10
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR