小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
「もう電波放送は終わっていいんじゃないか」――イギリス放送通信庁の提案、ネット完全移行は現実的か?(2/4 ページ)
ただテレビ視聴時間は減り続けており、20年のコロナ禍特需時期を除いて減少傾向にあることは間違いない。また英国はかなり早くからテレビの見逃し配信を行っており、スマートテレビに統合された「一時停止」や「最初から再生」といった機能を使って、リアルタイム視聴以外の方法のほうにメリットを感じる層も出てきている。
年齢別のリアルタイムテレビ視聴時間をみても、おおむね減少傾向が見られる。全体では、18年の視聴時間からすると、23年では30%も減少している。減少傾向は若い世代ほど顕著で、24歳以下の層は1日わずか30分未満しか試聴していない。28年には、16歳から24歳の層は1日平均13分しか生放送を視聴しなくなると予想する例も出てきている。
テレビ放送への依存傾向が見られる高齢者層は比較的減少率は穏やかだが、影響がないわけではなく、放送事業者が行う独自VoDへのシフトは、前年度比33%増となっている。
一方でテレビ放送におけるライブ放送は強いコンテンツであり、23年における個人の平均視聴時間のうち、約40%がライブ放送であった。国王とカミラ王妃の戴冠式の模様は視聴者数1000万人を記録した。女子ワールドカップ決勝のスペイン対イングランドも590万人となっている。
またオンデマンド視聴は、ライブ放送時間と切り離して考えがちだが、実際にはほとんどの視聴はライブ時間から15分以内に行われている。やはりライブイベント中継というのは、コンテンツとしての力があるということだろう。
テレビ放送の視聴方法は、20年を境にスマートTVが急増しているが、スマートTVをネットに接続していない層が23%ほどあり、機材的にはレディだが環境が整うまではもう一押しが必要である。
一方地上デジタル放送(DTT)のみのテレビ所有者は減少傾向にある。ただし完全にゼロになることは考えられず、ここに高齢者や経済的弱者が取り残される可能性がある。
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小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
クラウド活用にリモート編集環境と、映像にまつわるプロフェッショナルの分野にDXの波が押し寄せている。プロの現場で何が起こっているのか。最新のITトピックを小寺信良氏が解説する。
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