小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
どこまで使える? 動画の“続き”をAI生成できる「Premiere Pro」新機能 いろんなパターンで実験してみた(3/4 ページ)
人の動きはどう生成されるか?
こうしたフィラーのような風景カットの生成は、編集においてはそれほど喫緊の問題にはなりにくい。どうしてもそのカットでなければならないような、明確な動機が薄いからだ。
一方人物が写っているカットの場合は、他に代わるものがなく、この続きが欲しいという動機が強い。実際に多く使用されるのは、人物の動きに対してであろう。
そこで女性が1回ターンする動画を途中でカットし、生成AIがどのようにこの動画の続きを作るのかを観察してみた。このカットにはオリジナルの続きがあるが、あえてターンの途中でカットして、続きを生成させるという方法をとった。
生成された動画を見てみると、人がターンするというアクションをAIが理解しており、その続きが生成されている。ただ、2回転するとは思わなかった。実際の動画と比較してみると、面白い。AIからすれば、1回転するだけという動きに、意味が見いだせなかったのだろう。
実物と比較すると、背後の風景はかなり解像感が落ちる。このあたりは生成できないというより、背景に対してどれぐらいの精度でどれぐらいのマシンパワーを裂くのが現実的なのかという、アルゴリズムの問題だろう。
なおオリジナルの動画は、150%のハイフレーム撮影である。こうしたハイフレーム動画に対しても生成できるのか試してみたところ、問題なく生成できるようだ。
トレーナーのお腹の部分が、遠心力によって膨らんでいるが、これは変というよりも、そういうこともあり得ると考えさせられる。
将来的には、モデルが着用している服の柄などから類推して、市販されている服のデータを参照し、その伸縮率を取得してくるということも可能になるかもしれない。
では逆にタイムラプス撮影したものはどうなるのか。こちらは途中でガクンと解像度が落ちるのでどこからがAIなのか分かりやすい。映像的に速く流れ去る地面や草むらのディテールを再現するのは難しそうだが、空の雲はほとんど変わらない。このあたりも、どれぐらいのマシンパワーを使ってディテールを再現するかの閾値の問題のように見える。
ただこの動画の見どころは、参照可能な最終フレームの画像から、このさき道が2又に分かれており、そのどちらかに進むはずだという推測ができている点である。本物の映像は左側に進むのだが、AIはおそらく映像の傾きから、右側に進むだろうと推測したというわけだ。この判断は、理にかなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良の「プロフェッショナル×DX」
クラウド活用にリモート編集環境と、映像にまつわるプロフェッショナルの分野にDXの波が押し寄せている。プロの現場で何が起こっているのか。最新のITトピックを小寺信良氏が解説する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
9
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
10
タイムズカー、お見舞金3000円の算定基準は? パーク24に聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR