いまさら聞けない「希土類元素」(レアアース) 実はそんなに“レア”じゃない元素の基本を解説(1/4 ページ)
「希土類元素」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 「レアアース」と言い換えれば、多くの方が一度は耳にしたことがあるかもしれません。しかし、その正体は何でしょうか? あまり知名度の高くない希土類元素ですが、“産業のビタミン”と呼ばれるほど、その存在は私たちの生活に欠かすことができません。
この記事では、希土類元素について、その分類や用途、課題に関する基本的な点を振り返っていきます。(※本記事では、唯一の放射性元素であるプロメチウムには当てはまらない話があります。あらかじめご了承ください)
希土類元素とその分類
「希土類元素」とは、全部で17種類の元素の総称です。希土類元素は、英語の名称「RareEarthElement」の翻訳であり、そのまま片仮名に転写した「レアアース」と呼ばれることもあります。
希土類元素は、軽い元素から順にスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)と続きます。
スカンジウムとイットリウムを除いた全15種類の元素は、希土類元素の中でもさらに似ているという関係性から、総称として「ランタノイド」(“ランタンもどき”の意味)と呼ばれています。
ちなみに、名前としてはレアアースと似ているように見える「レアメタル」は、実際には希土類元素を内包する、全く異なる用語です。レアメタルは「地球上の存在量がまれであるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属」であり、現在では31種類の元素が指定されていますが、ここで希土類元素は全17種類を1種類として数えています。
希土類元素とレアアースは自然科学分野の用語ですが、レアメタルは日本の経済産業省が定義した経済学分野の用語であり、日本独自の和製英語とも言えます。
また、希土類元素は「軽希土類元素」「中希土類元素」「重希土類元素」の分け方をされることがあります。ただしこれは厳密な定義があるわけではなく、資料によって区切り方が異なります。また、その分類は化学的性質によるものであるため、軽い元素であるスカンジウムとイットリウムが重希土類元素にまとめられているなど、直観に反するような定義もあります(図1を参照)。
希土類元素は“産業のビタミン” 利用用途を紹介
希土類元素は、その大半があまり知られていません。恐らく一般に知られているのは、元素名がそのまま磁石の名前になっているネオジムのみでしょう。その理由は、希土類元素を1つの用途に大量に使用することがあまりないためです。
しかし、希土類元素は“産業のビタミン”と呼ばれているように、使用量こそ少ないものの、それぞれの用途で欠かすことができない存在となっています。希土類元素を使う用途は、それを使わなければ機能しないか、機能しても大幅に性能が落ちることがよくあります。希土類元素が産業界で重視されるのはこれが理由です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR