講談社、「はたらく細胞」著者に謝罪 監修体制や作画環境「適切に履行できず」 本人のX投稿受け
講談社は7月3日、漫画「はたらく細胞」の作者・清水茜さんがX上で公表した連載当時の編集部対応などの指摘について、謝罪文を掲載した。連載当時の医療監修体制や作画環境の整備を「適切に履行することができませんでした」と認めた。清水さんも同日、謝罪の手紙を受け取ったと報告し、講談社と協議を進めているとした。
謝罪文は、清水さんが7月1日から3日にかけて、はたらく細胞連載期間中の医療監修体制、作画環境、当時の担当編集者の対応、連載後の派生著作物のクレジット表記についてX上で指摘したことを受けたもの。講談社は、連載中に清水さんから環境改善の要望を複数回受けていたにもかかわらず、医療監修体制の整備やアシスタント手配などの作画環境の構築を履行できなかったと認めた。
連載後の一部スピンオフ作品や映像化派生出版物のクレジット表記についても、清水さんへの事前確認が適切でないものがあったとしている。
当時の担当編集者については、既に清水さんの担当を外れていると説明。その上で「本件は編集部の管理・監督体制の問題」としても重く受け止めているとし、過去の経緯の精算に向けて清水さんとの協議を続けるとした。なお、現在の清水さんのサポート体制や新企画の進行については、本人の意向を尊重した環境を構築できていると説明している。
清水さんによる投稿内容とは
清水さんは7月1日から3日にかけて、当時の資料と記憶に基づく整理としてXに経緯を投稿していた。それによると、2014年の連載開始前後に担当編集者から「医療監修が入る」と説明を受けていたが、15年発売の単行本第1巻に監修者名の記載はなく、内容に誤りが多数あったことで、読者からの批判を受けたという。
それを受けて監修体制の改善を求めたところ、担当編集者は「しょせん漫画だから適当で大丈夫」と回答。その後も改善の要請を重ねたが実現せず、抜毛症やうつ病を発症したという。18年からの休載中には自殺未遂に至ったことも明かした。21年の連載再開は連載終了を目的としたもので、心労により連載を終えたとしている。
クレジット表記に関しては、23年に編集部との絶縁を希望した後、スピンオフ作品で「原作 清水茜」の表記が無断で「協力:清水プロダクション」に変わっていたと指摘。26年には、19年発行の「はたらく細胞図鑑」で自身の名義がなくなり、代わりにシリウス編集部名が前面に載っていたことが発覚したという。
クレジット表記について清水さんが確認したところ、編集部側から、清水さんが監修体制に不満を抱いていたため、間違いなどがあった際に迷惑をかけないよう清水さんの名義を削除する措置を取ったとの説明があったとしている。
謝罪文の公開を受け、清水さんは3日、「編集部より謝罪のお手紙をご提示いただきましたので、ご報告いたします」と投稿。関係者が誠実に対応したことへの感謝を述べ、講談社との協議について「引き続き冷静に対応してまいります」とした。さらに、「現在の担当編集者の方は大変優秀で誠実な方であり、約束を破られるようなことはありません」とし、新しい担当者との関係が良好であることを示した。
清水さんは6月15日にも、連載中にうつ病や抜毛症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断を受けたことや、身内からの金銭的・性的被害をXで公表していた。今回の一連の投稿については「性被害の件とは完全に別件」と説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR