「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」(4/5 ページ)

作り込まれたEQと、心地よい「音のUI」

 音質の話に戻りますが、Ear (3a)でこれはよく練られているなあと思ったのが、EQ設定の作り込みです。簡易・詳細設定・探索の3つのタブが用意されており、簡易モードではバランス、低音強調、高音強調、音声、カスタムといったプリセットを直感的に選べます。

EQ「簡易」タブ。直感的なビジュアルUIでプリセットを選択できる

 詳細設定モードでは、8バンド対応の細かな音質調整が可能で、さらに探索タブではNothingコミュニティのDJが制作したカスタムEQプロファイルを手軽にダウンロードして適用できます。自分好みのリスニング体験を徹底的に追求したい人にも、手間をかけずにプロの調整を試したい人にも対応できる、懐の深い設計です。

EQ「探索」タブ。NothingDJのカスタムEQプロファイルをダウンロードして適用できる

 しかし、Ear (3a)を使っていて最も感心したのは、音楽の音質そのものよりも「操作時の音」です。Ear (3a)は、イヤフォンのステム(軸)部分をつまむ(ピンチする)ことで様々な操作を行いますが、その際に耳元で鳴るシステム音が非常に優れています。

 単に「ピッ」と鳴るのではなく、今起きている動作の意味が直感的に分かるような音が選ばれているのです。操作ミスがすぐに分かり、正しく動作したことも瞬時に理解できます。この音による演出効果が、UI(ユーザーインタフェース)として極めて優秀に機能しています。

使って楽しい、実用的なガジェット

 Ear (3a)は、最大45dBのアクティブノイズキャンセリングを搭載し、前世代と比較してノイズキャンセリングのカバー範囲は全体で17.1%向上しています。実際に電車内や街中で試しましたが、ノイキャンの効きは十分で、音楽に集中できる静けさを確保してくれました。

 ハイレゾ(LDAC)再生についても、対応機器と組み合わせれば音の解像度の高さをしっかり体感できます。バッテリーはANCオフ時にイヤフォン単体で最大10時間、ケース込みで最大42時間。バッテリー残量が少なくなっても、わずか5分の急速充電で約1時間の再生が可能です。これで1万5800円という価格は、非常にコストパフォーマンスが高いといえます。

 今回は他社製スマホと組み合わせて試しましたが、Nothingのスマホと連携させれば、ChatGPTへのアクセスや「Essentialニュース」(AIを活用した音声ニュース機能)など、さらに便利な使い方ができるようです。

 イヤフォンとしての高い基本性能と洗練されたデザインをベースに、オーディオスナップショットというユニークな新機能、細かく調整できるEQ、そして細部まで計算された心地よい音のUI。Nothing Ear (3a)は、単に音楽を聞くための道具を超えた、Nothingのデザイン通りの「使って楽しいガジェット」として高く評価できる仕上がりになっています。なお、今回はブラックを試しましたが、個人的にはピンクを買おうかなと思っています。

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この記事の著者

いしたにまさき
いしたにまさき

ブロガー、ライター、アドバイザー、プロダクトデザイナー。2011年アルファブロガー・アワード受賞。ひらくPCバッグシリーズのデザインにて、2016年グッドデザイン賞受賞。

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