Googleのジェフ・ディーン氏、独立してAI実験を大規模自動化する新会社Discovery Loop設立

 米Google DeepMindおよびGogole Researchのチーフサイエンティストを務めるジェフ・ディーン氏は8月5日(米国時間)、自身のXで、27年間在籍した同社を退社し、新会社「Discovery Loop」を設立すると明らかにした。同日、スンダー・ピチャイCEOも社員向けメッセージで同氏の退社に触れている

 ディーン氏はXで「明日がGoogleでの最終日になる」とし、同社が25人から19万人超に成長する過程を見てきたことを「素晴らしい旅だった」と振り返った。あわせて公開した社内向けメモの抜粋では、子どものころから多くの人に使われるソフトウェアを作ることを夢見ていたとし、Googleが10億人以上に使われる製品を13個抱えるまでになったことを挙げている。

 Discovery Loopは、ディーン氏に加え、Googleシニアフェローのサンジェイ・ゲマワット氏、オリオル・ビニャルス氏、クオック・レ氏の4人が共同で創業する公益法人(Public Benefit Corporation)。機械学習や科学、工学を自動化して発見と進歩を加速することをミッションに掲げる。ディーン氏は4人について「14年~30年間にわたって一緒に働いてきた」と説明した。

Discovery Loopの立ち上げメンバー。左から、ビニャルス氏、ゲマワット氏、ディーン氏、レ氏(画像:Discovery Loop)

 最初の対象領域を「機械学習の研究とエンジニアリングにおける大規模な実験の自動化」に定める。まず自社の技術開発にそれを適用し、「自分たち自身が最初の顧客になる」と説明した。

 公式サイトによると、同社が問題視しているのは、仮説を立てて実験を実装・実行し、結果を検証して手法を改良するという科学的手法の反復が、人手では規模を広げにくい点だ。フロンティアAIモデルと大規模な計算基盤を使ってこのループ全体を自動化し、数千規模の実験を並列実行することで反復にかかる時間を大幅に圧縮するとしている。将来的には、医薬品開発や健康情報学、太陽光発電の経済性、サイバー空間の安全確保といった全米技術アカデミー(NAE)の「Grand Challenges」に取り組めるシステムを目指すという。

Discovery LoopのWebサイト

 ピチャイ氏はディーン氏の「27年間の素晴らしい活躍」に謝意を示した上で、新会社に創業時の出資者兼クラウドパートナーとして関わり、機械学習システムや関連インフラの研究フレームワークでも協業を続けると説明した。ディーン氏の退社は、デミス・ハサビス氏がGoogle DeepMindのCEOを退いて同社会長兼Alphabetの最高科学責任者に就く体制変更と同時に発表されたものだ。Googleからは6月にも、「Gemini」の開発を共同で率いたノーム・シャジーア氏が米OpenAIへ、ノーベル化学賞受賞者のジョン・ジャンパー氏が米Anthropicへ移っている。

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