小中学校で「情報」を教科に、英語ではAI活用初明記 次期学習指導要領、中教審まとめ案

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会は8月31日、次期学習指導要領の全体像となる審議まとめ案を示した。AIの普及などデジタル社会の進展を踏まえ、小中学校から「情報」を教科として組み込んで情報活用能力の向上を目標に掲げた。一方、英語ではAIの活用が初めて明記された。

 中教審は詳細を詰めたうえで年内に答申をまとめ、文科省は26年度中に改定する。新指導要領の全面実施は小学校が30年度、中学校が31年度、高校(27年度改定)が32年度からとなる。

 審議まとめ案では、子供を「民主的で持続可能な社会の創り手」と明記した。AIの発達に伴ってインターネット上の誤情報・偽情報(フェイクニュース)が問題になっている中で「社会が分断され、主権者・有権者として適切な判断ができない状況を放置していいのかという問題意識があった」(文科省幹部)という。そのための具体策として、教科の新設を含めて情報教育を大幅に拡充する。

 基礎学力を維持する観点から、各教科の指導に必要な時間として設定する標準授業時数は、小学4年~中学3年で年間1015コマとしている現在の水準を維持する。情報教育に必要な授業時間はコマ数の多い教科から少しずつ抽出して確保する方針で、答申までに具体策を決める。

学習手段としての情報教育に

東京学芸大・大森直樹教授(教育史)の話

 次期学習指導要領での目玉となる情報教育は子供にとって必要であることは確かだが、導入には慎重さが求められる。すでに子供の学習環境にはデジタル端末が浸透しており、社会や理科など教科の調べ学習を豊かにさせている面もある。「情報教育のための情報教育」が学習の形骸化を招くことは避けねばならない。

 一般的に新たな教科では、何をどのような順序で教えるかといった教育の体系が確立していない場合が多い。教員向けの充実したガイドラインの整備なども必要で、準備が間に合わなければ前倒しではなく後ろ倒しを考えてもいいだろう。その上で、情報教育を小学3~4年生に導入することには明確に反対だ。この年代の子供は、国語や算数、あるいは自然を五官で感じる学習が最も求められている。頰に当たる風の心地よさを知る子供でないと、AIを活用した自然の学習も表面的になる。

 調整授業時数に含まれた教員の研究研修時間は、子供にとって週1コマの負担軽減につながる。学習時間の減少には拒否反応が強く導入のハードルは高いが、教育に「余白」をもたらす制度になってほしい。(談)

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