楽天にGMO……防衛産業に近づく民間IT企業 反発の声も
AIやドローンを中心とした防衛関連産業の加速に伴い、同様の事業への関与を強める企業が増えている。例えば楽天グループは8月、ドイツの防衛系スタートアップと提携し、迎撃型ドローンの導入支援を手掛けると発表。GMOインターネットグループが9月15日に開催するイベントには、米防衛ソフトウェア企業Palantirがビデオメッセージを寄せる予定だ。
楽天グループは8月、ドイツの防衛系スタートアップHelsing(ヘルシング)との提携を公表。日本における迎撃ドローン「HX-2」の販売窓口を担い、防衛省への導入を支援する方針を示している。
GMOインターネットグループが9月15日に開催する、AIを用いて機械やロボットを自律的に制御する「フィジカルAI」をテーマとしたカンファレンスには、Palantirのアレックス・カープCEOがビデオメッセージを寄せる予定だ。PalantirはAIを活用した防衛システムで知られ、米国防総省などにもサービスを提供している。
こうした動きの背景にあるのは、ウクライナ情勢や国際関係の緊張、そしてAI技術の発展だ。ドローンによる攻撃とその防衛の効果には国内外で注目が集まっており、日本の防衛省も防衛白書でその重要性に触れている。AIを巡っては、生成AIがサイバー攻撃やその対策を中心に、軍事用途に大きな影響をもたらしており、関連する企業がプレゼンスを強めている。
一方、戦争や虐殺の懸念につながるとして、こうした動きに反発する企業やユーザーも見られる。楽天グループの動きを巡っては、提携の報道・発表直後を受け「楽天市場」から撤退する企業が出た。例えば通信販売カタログ「通販生活」を手掛けるカタログハウスは、できるだけ武器類を販売しないとの企業理念に抵触するとして撤退を表明した。
さらに新宿の人気カフェ「BERG」(ベルク)も同様の理由で撤退。カタログハウス・BERGのいずれも、SNS上では支持の声が少なからず見られた。
GMOインターネットグループのイベントには、音楽グループ「EXILE」メンバーで、芸能事業を手掛けるLDH JAPANのCEO・HIRO氏が登壇予定だったが、その辞退を求める声がXで続出。「軍事企業のパフォーマンスにアーティストが花を添えないでほしい」などの意見から「LDHはGMO大会議への登壇を辞退してください」といったハッシュタグの投稿が相次ぎ、最終的にHIRO氏が参加を見合わせるに至った。
同イベントを巡っては他にも、抗議を理由に、GMO系のハンドメイド品マーケットプレース「minne」の“使い控え”を表明する投稿などが見られた。
いずれも根底にあるのは反戦意識だ。国際情勢の緊張もあり、戦争への危機感が強まるいま、SNSでもその表明が活発になっている。
ただ、ドローンやAIによる防衛技術は、同じくドローンによる海を越える攻撃や、AIによるサイバー攻撃といった脅威への対策はもちろん、災害時の捜索・救命といった人命保護の発展にもつながる。技術的知見を持つ海外企業との連携が、世間の注目を集めるファクターになり得るのも事実だ。
2社への反発が目立つのは、消費者向けのサービスが広く知られているため、という見方もできる。例えばNEC、富士通、日立といった大手ITは以前から防衛関連領域に取り組んでいるが、反発はあまり見られない。防衛産業に最近参入した企業も同様だ。例えばITコンサルティング事業を手掛けるSHIFTや、Sakana AI、Preferred NetworksといったAIスタートアップが防衛省や防衛装備庁関連の案件を手掛け始めているが、楽天・GMOに向けられたような抗議はない。
防衛関連の事業は、これまで一般消費者の目に触れる機会が多くなく、また消費者側もあまり意識してこなかった。生活に身近なサービスを持つ企業が関わることで、その距離感が改めて意識される場面が増えていくかもしれない。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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