VAIOが再び“挑戦”する理由 ノジマが後押し、独自のマルチフリップ機構が復活へ(2/2 ページ)

 発案したのはノジマだった。ノジマの益田巧氏(M&Cソリューション推進部 情報ソリューショングループ)は「VAIOといえば505、C1など思い浮かべる人いるかもしれないが、迷わず選んだのはマルチフリップ」と話す。理由は、販売現場の声だという。

 「店頭では好評だったが、時代が追いつく前に消えてしまった。当時、PCではタッチ操作が普及しておらず、Windows側も発展途上だった。今もう一度チャレンジしてみたい」(益田氏)。

 一方、VAIOの林氏は、この提案を聞いた時に「複雑な思いもあった」と明かしている。「自信を持って投入したが手応えを得られず収束した製品だった。新しいスタイルは、その価値が伝わらなければ広まらないと分かった」という。

 しかし、今なら販売店と密接に連携できるかもしれない。ノジマが昨年のVAIO買収後、最初にやったのは、試験や販売実績といった条件をクリアした店員に与えられる「VAIOマイスター」認定制度と、ノジマ店内に個人向けPCのカスタマイズから注文まで行える「VAIO Shop in Shop」の設置だった。VAIOに習熟したスタッフが、その価値をユーザーに伝えてくれる体制が整った。

ノートPCの形状
ディスプレイを反転させるとビューモード
タブレットモード

 VAIOでシニアプロダクトマネージャーを務める渡辺玄氏は「2 in 1の製品は数多くあるが、VAIO-Tは机に置いたままスタイルが変わる。思考が途切れず、スムーズに動作がつながる」と話している。

 VAIO Tは、9月18日からオンラインとノジマ店頭での予約受付を開始し、同時にノジマ全店で先行展示も順次スタートする予定だ。店頭発売は9月22日となっている。

 VAIOの林氏によると、ノジマとの共創を通じて変わったのは、社内の雰囲気だという。「一番大きかったのはマインドチェンジだ。法人向けはどこかコンサバ(保守的、控えめ)な方向に行きやすい。会社としてもっとチャレンジすべきだと後押ししてもらい、舵を切ることができた」。

 再び挑戦を始めたVAIOは、昔のようにPC市場で脚光を浴びる存在になるだろうか。

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