法人パソコンにも高騰の波 “中古”の常識を変えた「リファービッシュPC」に企業が熱視線のワケ VAIOに聞く(1/3 ページ)

 近年の物価高騰を背景に、VAIOのリファービッシュPC「Reborn VAIO」が企業の注目を集めている。同社は2025年に約5000台を法人・個人向けに販売し、ほぼ完売。今年も10月ごろに販売を始める予定だが、すでに多くの問い合わせを受けているという。

 リファービッシュPCは、いわゆるメーカー再生品のこと。リース満了などで回収された中古PCをメーカーの工場でクリーニングや部品交換を行い、再度出荷する。一般的な中古PC(リユースPC)と違い、新品と同じメーカー保証が提供される。

 とはいえ、法人向けのPCは価格やスペックの他にセキュリティやサポート体制、安定した調達など、いくつもの要件が求められ、単に安いというだけでは選ばれないはずだ。Reborn VAIOは中古でありながら、なぜ企業の調達担当者に受け入れられたのか。

Reborn VAIOは黒に統一されている。PCの元の色にかかわらず外装をブラックに統一することで、在庫の効率化を図った

中途半端はしない

 VAIOのリファービッシュPCを見て、すぐに「中古だ」と見抜ける人は稀だろう。なにしろノートPCの天板からベゼル(ディスプレイを囲うパーツ)、キーボードとパームレスト、タッチパッドまで、外装の多くを新品に交換する。

 VAIO法人営業本部Reborn VAIO事業室の花村英樹室長は「中途半端なことはしません。目で見えるところはほぼ新品に変えています」と話す。外装で新品にならないのは底面と液晶パネルのみ。ラベルや底面のビスまで新しくなる。

 これらのPCは、VAIO安曇野本社工場の専用ラインで技術者が1台ずつ分解し、内部に入り込んだホコリを除去したり、各所に使われるビスを新品に交換したりしながら再度組み立てている。バッテリーも新品に交換。最終工程では新品製造時と同じ設備を使って動作確認を行う。

VAIO法人営業本部Reborn VAIO事業室の花村英樹室長
VAIO安曇野本社工場の専用ライン。背面のシールをはがしているところ|出典・VAIO
同じく古いキーボードを外しているところ|出典・VAIO

 OSは一度削除して、MAR(Microsoft Authorized Refurbisher)と呼ばれる中古PC専用のライセンスでOSをインストールする。MARは再生PCに正規のセカンダリーラインセンスを提供する米Microsoftのプログラム。導入企業にとっては偽造品や不正利用を心配する必要がなくなる。

 もう一つ見逃せないのは、Reborn VAIOはシリアルナンバーも取り直す点だ。花村室長は「中古PCのシリアルナンバーは、以前使われていた企業でシステムにひも付けられていることがあります。それがリセットされることで、シリアルナンバーに由来する不具合が起きないというのも大きな安心材料だと考えています」と話す。例えば24年1月にはXで「中古PCを買ったら、NTT Comの社内用設定画面が出て使えない」という内容の投稿が話題になった。原因は社用PC利用終了時に、サーバ上の“ハードウェアID”情報を削除し忘れていたことで、その後、NTT comはPCの購入者に事情を説明して謝罪している。

 出荷時には新品と同じ1年間のメーカー保証が付く他、サポート体制も新品と同様に整えている。企業が中古に対して懸念する多くのことを解消したといえそうなReborn VAIO。同社が一連の工程を「改修」や「整備」ではなく、「再製造」と呼ぶ理由も理解できそうだ。

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