Google、「Gemini 4 Pro」ではなく「Gemini 4 Agron」発表 まずはサイバー防御組織に限定提供、出力上限は100万トークンに

 米Googleは9月30日(現地時間)、次世代のフロンティアAIモデル「Gemini 4 Argon」を発表した。複雑で長時間にわたるワークフローの処理に重点を置き、ソフトウェア開発、金融・法務などの業務、サイバーセキュリティ防御で高い性能を発揮するとしている。まず「Fairwind Program」を通じ、信頼できるサイバー防御組織への提供を開始した。米政府にもリリース前のモデルを提供している。

(画像:Google)

 「Argon」はGeminiシリーズで新たに登場した名称で、一般的には原子番号18の元素名だ。Googleは名称の由来や、従来の高性能モデルに使ってきた「Pro」との関係について説明していない。5月に発表した「Gemini 3.5 Pro」は当初6月の公開予定だったが一般提供には至らず、その後はバージョン3.6以降のFlash系モデルが相次いで公開されていた。

 Argonは、長時間にわたる複雑な処理を継続できるよう、最大出力を従来の6万4000トークンから100万トークンに拡大した。Google社内では既に数千人がコーディングや調査などに利用しているという。

 ソフトウェア開発能力を測る「DeepSWE v1.1」では、3.8 Flashの73.7%を上回る77.9%を記録して最高水準となったほか、業務自動化を評価する「AutomationBench」では51.3%で首位、脆弱性修正能力を測る「CWE-bench v1」では68%で首位タイだったとしている。

Gemini 4 Argonと他社の主要モデルのベンチマーク比較(画像:Google)

 特にサイバー防御能力を強化しており、ソフトウェアの重大な脆弱性を自律的に発見、検証し、修正できるとしている。Fairwind Programの参加者など信頼できる防御側とGoogle社内のチームには、サイバー関連のガードレールを外した状態で提供する。

 AIモデルを巡っては、評価中のエージェントが実在の人物や組織に無許可で働きかけた事例や、米OpenAIのモデルが学習・評価中にオーストラリア政府のWebサイトに権限なくアクセスした問題など、安全性に関わる問題が相次いでいる。

 Googleは広範な提供に向けて安全対策を強化している。サイバー攻撃や化学・生物・放射性物質・核(CBRN)分野での悪用を拒否する仕組みに加え、モデルの内部状態を監視して悪用を検知する手法を改良した。間接的なプロンプトインジェクションへの耐性も高めたほか、モデルが意図を逸脱して行動する兆候を検知するため、推論過程や行動を常時監視して必要に応じ実行を停止する仕組みも備える。高リスクの訓練や評価ではサンドボックス環境の隔離も強化したという。

 Gemini 4 Argonの一般の開発者、企業、消費者への提供時期は明らかにしておらず、初期利用者からのフィードバックを基に安全対策を改善した上で順次拡大する計画だ。一般提供は有料APIユーザーと「Google AI Ultra」加入者から始める予定。APIの導入価格は100万トークン当たり入力2ドル、出力10ドルで、キャッシュされた入力トークンは入力価格の95%引きとなる。導入期間終了後は入力4ドル、出力20ドルになる。

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